2012年4月20日金曜日

家賃に見る価格の下方硬直性

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デフレの問題は大きく二つあり、実質金利の高止まりと、価格の調整速度の低下だと考えられる。物価が下がっているのに後者が問題になるとは考えられない人もいるようだが、価格の調整が速い家電製品のような財がある一方で、賃金等の調整は遅いと思われている。そして意外に価格が下落しないモノを見つけた。家賃だ。

1986年はバブル前の円高不況で1987年ぐらいから地価や株価が上昇しはじめたのだが、1992年に土地バブルが弾けた後も2003年ぐらいまで家賃は上昇し続けている。土地は借家やアパートなどの主要な投入要素の一つだが、11年ぐらいラグがあるわけだ。そして地価は80年代の水準に下がったのに、家賃は高止まりを続けている。

教科書的なミクロ経済学の説明では、地価が下がって家賃が高止まりしているのであれば、土地を買収して大家を始める人が出てくるので、家賃が下がるか土地があがるかして、両者の価格推移は安定的になるのだが、実際はそうではない。価格の下方硬直性と見なして良いであろう。

アパートの入居率が低い事は良く報道されている(賃貸住宅の空き室率推移をグラフ化してみる:Garbagenews.com)ので詳しいメカニズムは不明だが、大家も借家人も何かの誤解をしているようで、家賃の低下ペースが遅いのは否定できない。そしてインフレで実質ベースの家賃が下落して行く状態ならば、住宅地地価と家賃の乖離はここまで大きく無かった可能性は高いと思われる。

追記(2012/04/21 12:30):住宅価格の値下がりは住宅地地価ほどでは無い可能性があると指摘があったが、国土交通白書によると、2001年はピークの1990年比で44%下落しており、住宅地地価と住宅価格には同じ傾向が見られる。

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