2011年7月12日火曜日

体積が小さくても高レベル放射性廃棄物は取扱いづらい

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原子力発電所から出てくる高レベル放射性廃棄物は取扱いづらい代物だ。体積が小さいから膨大に排出される二酸化炭素などよりも取扱いが楽だと言う主張もあるが、それはある一面しか見ていない。

福島第一原発から流出した放射性物質は分子量からコップ一杯分と言われている。コップ一杯分であれば、子どもでも持ち運びが出来て取扱いが楽・・・なはずがない。コップ一杯の放射性ヨウ素や放射性セシウムから出てくる放射線は、持っている人を即死させるであろう。

内閣府原子力委員会の資料の図を転載しよう。「高レベル放射性廃棄物から放出される放射線量の変化」と題された説明からは、再処理工場で作成された高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の放射線量が記載されている。表面が14,000Sv/hで、1m離れて420Sv/hだ。単位はmSv/hでもμSv/hでもない。1m離れていても、約20秒で致死量に達する。30年冷却させた後も、1m離れて200μSv/hになる。気付かずに1日傍にいると、数ヶ月以内に死亡するレベルだ。もちろん四方をガラス固化体に囲まれたら、線量は倍増する。

廃熱もあり、製造直後のガラス固化体は1本2300Wの発熱がある。30年冷却させると約560Wになる(放射性廃棄物HP)。風呂を沸かすのに2時間かかる程度の熱量と見るか、インスタント・ラーメンのお湯が40秒で準備できるだけの熱量と見るべきなのかは視点が分かれそうだが、貯蔵の問題になるのではないかと不安視されている。自然空冷で間に合うそうだが、熱が篭ると何か起きるのは福島第一原発の使用済み燃料プールで実証されている。

原発が全ての点において危険と言うわけではない。同じ量の発電に必要な核燃料の重量は、石炭火力の0.0014%、石油火力の0.0021%、LNG火力の0.0027%と言われ、量的には取扱いやすい。化石燃料は常に引火・爆発のリスクがあるが、事実上、核燃料はそのリスクは無い。放射性物質による土壌汚染を危惧する人もいるが、鉱滓ダムの決壊で土壌汚染が発生する事もある。しかし、間違って千代田区に何トンもの二酸化炭素をばら撒いても、何も問題は起きない。間違ってコップ一杯分の放射性セシウムを千代田区にばら撒けば、人間が容易に接近できない領域に変化する。

六ヶ所再処理工場は、2006年のアクティブ試験開始後、2009年1月、2009年8月、2010年9月と3回も終了予定を繰り延べている。放射性物質の取扱い難易度は決して低いものではない。それでも原発を推進せざるをえない状況はあるわけだが、安全・簡単なテクノロジーでは無いのは歴然とした事実だ。

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