2010年6月22日火曜日

茹でポテトの電池は10倍!

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レモンなどの果物で、電池を作ったことのある人は、かなりいるのでは無いであろうか。

果汁にリン酸H3PO4が含まれているので、亜鉛と銅を電極としてレモンにさすと、電池として電気を得ることができる。つまり、亜鉛がイオン化して電子がうまれ、リン酸が水と反応してできた水素イオンと電子が、レモン内を移動して銅の電極で結合して、水素分子が発生する。このとき電子と逆方向に、亜鉛と銅の電極間をつないだ導線に電流が流れることは、化学嫌いの人でも良く覚えている現象であると思う。

実のところ、上記手法でトマトでもグレープフルーツでも酸味がある果物なら何でも発電できるのだが、ジャガイモが効率が良いらしい。しかも、Yissum develops社によると、茹でたジャガイモは、生のジャガイモの10倍の電力を産むようになるそうだ。ジャガイモの状態にもよるが、1週間ほど電気をとることができる場合もあるらしい。茹でる事で、発電の邪魔になる塩分を除外できるためだとのことで、Yissum develops社は開発途上国の電力事情を改善できると主張している(Yissum develops potato-powered batteries for the developing world -- Engadget)。

しかし途上国といっても、太陽光や風力などもっとまともな発電資源はあるし、人間や家畜が食べることのできるジャガイモを発電にまわすのはもったいない。そもそも、電極の亜鉛も消費していくし、揮発する水素は利用しないのかとか疑問点が山ほど。子供に理科の楽しさを教えてあげるしか使えない気がしなくもない。以下の動画では、生ポテトで実際にマッド・サイエンティストのジェイソン君が実演をしてくれているが、子供にもできるシンプルなもの。実用性はともかく、教育目的では興味深い事象だと思う。

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