2010年南アフリカのワールドカップで一躍脚光を浴びているグッズは、間違いなくブブゼラ(vuvuzela)である。テレビで聴いていると蚊の羽音のような音だが、実際は大音響でかなり耳障りらしいが、南アフリカのサッカーの試合では、観客が吹き鳴らす定番グッズだそうだ。この南アフリカの応援グッズ・ブブゼラに関して、知らなくても困らない10のことをまとめてみた。
1. ブブゼラって何?
南アフリカのスポーツ・イベントで見られるカラフルなプラスチック製のホルン。90年代初頭は金属製だった。一般的なブブセラは65cmだが、1mを超えるものもある。
2. どこで発生したの?
正確には不明だが、アフリカの村民を会議に召集するkudu hornと関係していると言う説、自転車のフォーンから派生したという説、土着のプロテスタント系キリスト教教会Nazareth Baptist Churchが主張している、彼らの宗教儀礼用の楽器だった説がある。kudu horn(下の写真)の形状からすると、自転車のフォーン派生説が有力な気がするが、ブブゼラの原点である事が名誉なことなのかは分からない。
なお、1660年代の絵画に似た楽器があるので、中世のヨーロッパに実在したという説もある(Vuvuzelas : Annoying you since 1660)。
3. ブブゼラの意味は?
騒音を立てる(Zulu)から派生した説、(音楽の)シャワーのスラング、吹き込むという意味など多説あるが定かではない。
4. ブブゼラの音を形容すると?
ミドルCの下のBフラットらしいが、強い風の音とか、怒った虫の羽音とかいう形容をされている。なお、以下の「変化球ソナタ」という曲の楽譜も作られているが音が一階調しかないので、シンプル極まりない。
5. やかましいだけではなくて、有害なのでは?
最近の測定ではブブゼラの音の大きさは127デシベルらしい。航空機のエンジン近くの騒音に匹敵する。自動車のクラクションが110デシベル、電車のガード下が100デシベル、主審のホイッスルが100デシベル。スイスの補聴器協会のPhonaxは、恒久的に難聴を引き起こす可能性があると警告している。つまり、恐らく有害。
なお、ワールドカップ中の南アフリカの小売店では、耳栓が売り切れているらしい。ブブセラ製造業者は20デシベル音が小さい新型を開発中とのこと。さらに、風邪のウイルスなどの病原菌を撒き散らす可能性も指摘されている。
6. ブブゼラの評判はどうなの?
何人かのサッカー選手は、苦言を言っている。たとえばクリスティアーノ・ロナウドはピッチ上で集中力を維持するのが難しいと言っているし、メッシもアルゼンチンの失点についてブブゼラの音でコーチングができなかったと指摘している。ワールドカップ前後での世論調査でもブブゼラに対して不快感を示す人が増加しているらしく、評判が悪いと言えるであろう。
7. ブブゼラは禁止されないの?
FIFAは南アフリカのサッカー文化を尊重すべきだとして、コンフェデレーションズ・カップで不評だったのにも関わらず、ワールドカップで禁止する意向はないようだ。なお、テレビ局などでは、ブブゼラの音を小さくするか遮断する技術を導入して、サッカー中継をしているところもある。
8. ブブゼラの売れ行きはどうなの?
騒音の苦情に反比例して爆発的に売れているらしい(Reuters)。しかし多くは中国で生産されており、南アフリカの特産品ではない(毎日jp)。1万個/日で間に合わず、2万個/日で追いつかないレベルで生産中。
9. ブブゼラよりマシな楽器は無いの?
法螺貝はいかが? ;-)
10. Jリーグの試合でブブゼラを吹いていい?
Jリーグの応援では原則として鳴り物が禁止(各クラブに任されているが、一部のエリアで観客側に応援の合図を送るために許可するなど、強く制限されている)なので、ブブゼラも使用は恐らく禁止。実は1993年のJリーク開幕年にはブブゼラにちょっと似たチア・ホーン(右)を吹いていたサポーター、近隣住民などから苦情が出たこともあり、Jリーグ全体で禁止となった経緯がある。他のスポーツ・イベントなどでも、野球のイチロー選手のコメントを見る限り、選手からの鳴り物への評判は良くないようだから利用しないほうが良いであろう。
まとめ
以上のブブゼラに関する10の知識は、BBC NewsやMashableや、その他のメディアの記事からまとめた。多種多様なニュースが流れてくるところを見ると、あまり愛されている感じの無いブブゼラだが、存在が気になるモノであるのは間違いないようだ。
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