草津町議のリコールに反対するデモの主催者や賛同者が、町長を不当に犯罪者と決め付ける中傷を行った件で、これまでの発言の訂正や謝罪に追われている。事件の発端の元町議の告発が狂言であると、元町議が認めたからだ。
告発者を支援するリスクが顕在化した事例になったが、リコール批判にとどめた狡猾なフェミニストと、元町議を支援し、告発に連帯した愚昧なフェミニストの差が現れていた。
偽証だと発覚するか認定されれば、告発者とその支援者に非難が行く。信憑性の乏しい狂言を事実のように吹聴すれば、不法行為になる可能性は高い。元町議の告発に関しては、告発者への社会的制裁に反対にとどめるのが懸命であった。実際、全国フェミニスト議員連盟が出した抗議文では、元町議は告発者と表現されており、告発の内容の是非については触れられていない。社民党の福島みずほ氏も、除名とリコールをミソジニーと非難していたが、告発内容を支持することは避けている。日本共産党(群馬県委員会と北毛区委員会)のコメント*1も同様だ。
ところが、元町議を支援し、告発に連帯した愚鈍なフェミニストも出てしまった。草津町のデモは、性暴力事件の判決に抗議してきたフラワーデモのひとつになるのだが、元町議の参加しており、他の参加者と一緒に写った写真が公開された。フラワーデモの呼びかけ人が関連するラディカル・フェミニスト団体であるPAPSとAPP研の関係者が、町長への名誉毀損になる行為*2を行っていた。英文ブログで町長を性犯罪者だとする記事を発信し、セカンドレイプの街と町長の性犯罪を前提にした非難を行っていた。支援にいたるまでの経緯からは、狂言のリスクは把握していたはずなのだが。
当初、元町議への支援は避けられていた。2019年11月出版の電子書籍によるリコールされた元町議の告発は、12月には町長が刑事告発と民事訴訟、さらに町議会での除名処分があったのにも関わらず、フェミニスト団体の積極的な行動は2020年12月のリコール成立後まで見られない。日本共産党は所属する草津町議は元町議の除名に賛成している*3。棄権ではなく賛成だ。フラワーデモの呼びかけ人である北原みのり氏も、当初はどう関わってよいかわからなかったと回顧していた。しかし、リコール運動がはじまってから元都議の三井マリ子氏が旗をふり、元町議を支援する動きが広まった。三井氏は、元町議を支援する会の副会長になる増田都子氏に、元町議を紹介したし、北原氏も三井氏のSNSでの言説に動かされたと回顧している。
草津町フラワーデモに至るまでの経緯は、事件を精査してではなく、フェミニスト仲間の論調から、どのような態度をとるか決めているフェミニストがいることが分かる。増田氏は狂言発覚後、元町議に騙されたと立腹していた。リコール批判にとどめたフェミニストは危険性に気づいていたはずだが、(私が知る限り)公には批判していなかったし、狂言の可能性について注意喚起はしていなかった。論拠が弱く不用意な意見であっても、主張に衝突がなければフェミニスト同士で批判は行われない。愚昧で調子に乗りやすい人々には向かない界隈だ。ネット界隈でもフェミニズム界隈の極端言説を悪気なく請け売りし、強い非難を浴びて困惑している人々がいるが、草津町フラワーデモの顛末を他山の石として学んで欲しい。
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