2023年6月27日火曜日

水着グラビア撮影会中止に関する渋谷パレードの空気が読めていない感

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埼玉県営公園プールでの水着グラビア撮影会の中止をうけて、6月18日に渋谷でパレードが行われた*1。おぎの稔大田区議会議員によると、表現の自由を訴えるデモではなく、職業差別反対と職業選択の自由を訴えるデモだそうだ*2

1. 水着グラビア撮影会自体の禁止の流れはない

ところが一連の騒動で、明快な職業差別、就業不能になる規制は行われていない。卑猥で過激な水着やポーズ、未成年モデルの存在が問題になっただけだからだ。未成年者禁止は職業差別とは言えるが、これは大きな声では抗議されていない。卑猥で過激な水着やポーズがないと撮影会が成立しないと言う主張も見当たらない。なお、卑猥で過激とは言えないと言う主張もない。

グラビア・アイドルをマネジメントしている芸能事務所は、今回の渋谷パレードに所属しているグラビア・アイドルが参加しないように言ったところもあるようだ。商売としては、公営公園プールでの撮影会を諦めるか、卑猥で過激な水着やポーズをやめれば成立するし、現在の社会規範から考えて、未成年モデルや卑猥で過激な水着やポーズが許容される可能性は乏しい。法律もないのに規制するのはおかしいと言う主張も散見されるが、青少年健全育成条例や軽犯罪法第1条第20号などに抵触している可能性は高い。パレード主催者も、水着での行進は警察に違法かも知れないと警告されたと言っていた。

2. 表現の自由の観点から過剰規制の可能性はあるが

現在の社会風潮が理に適っているかは疑念がある。未成年者のグラビア撮影が許されて、グラビア撮影が許されないのはなぜなのか。祭りで男性がふんどしで見越しを担いでも誰も気にしないのに、女性のマイクロ水着が卑猥とされるのはなぜなのか。卑猥で過激な水着やポーズにどんな害があると言うのか。批判的に検討すべき点は多い。しかし、法律や条令を参照すると、なかなか強固な社会風潮だ。そうは簡単に崩せそうにない。長いものに巻かれろ的ではあるが、水着グラビア撮影会の運営を保守的にする方が、現実的に商売を続ける方策である。

3. 訴えるものを間違えているわけだが…

埼玉県や共産党の主張を誤解*3した状態でパレード実施を決めたのだと思うが、結果的には空気が読めていないものとなっている。まぁ、アフターパーティーを実施してグラビア・アイドルの収入になったらしいし、水着グラビア撮影会の愛好者が一定数いることを示す政治的な意義もあったと思うので、無意味であったわけではない。

追記(2023/06/28 16:04):このパレードの余波で、九条ねぎさんの水着グラビア撮影とチェキができる海の家イベントがなくなった

*1水着グラビア撮影会中止に関する渋谷パレード - Togetter

*2表現の自由を訴えるプラカードもあったが、主催者側の意図は浸透していなかったようだ。

*3日本共産党や内閣府は「性の商品化」をセックスサービスを意味する用語として用いている一方で、一部のラディカル・フェミニストはセクシーな広告なども含める用語として用いているためか、日本共産党の主張を誤解した人々がいた(日本共産党が無くそうとしている「性の商品化」とは何なのか問題 - Togetter)。

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