1928年のペニシリン発見後、抗生物質耐性菌の発生に対応するために新たな抗生物質を探し続けてきた人類だが、今もどんな抗生物質も効かないスーパー耐性菌に苦しんでいる。これでバクテリアの進化のペースは早いのは何となく分かるのだが、実際にどれぐらいのペースで薬剤耐性を獲得していくものなのか。実際に実験してみた動画*1が流れていたので、視聴してみた。あっさり耐性を獲得するものらしい。
2×4フィート(61×122平方cm)14ℓの寒天培地に、抗生物質の量を端から0、1、10、100、1000の比率で変えて大腸菌を培養しているのだが、端からだんだんと増えて行き、11日ぐらいで中央に到達している。抗生物質はトリメトプリムで、シプロフロキサシンだと最初の致死量の10万倍まで耐えられるそうだ。新たな濃度の抗生物質に遭遇すると耐性獲得までは増殖ペースが落ちるが、獲得後は元のペースで増えていく。また、動画で確認できるのか謎なのだが、より強い耐性菌は足が遅く、薬剤濃度が高い所に最初に到達するわけではないような事が説明には書かれていた。
自然環境での薬剤耐性の獲得を示したものではないし、大腸菌の増殖速度は早い方とは言え、バクテリアの潜在能力を良く示していて興味深い。
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