2013年6月1日土曜日

国連拷問禁止委員会の勧告を逆手に取りたい

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国連の拷問禁止委員会が日本政府に勧告を出したと朝日新聞が報じているが、「関係者の訴追が行われていないことに懸念」が、二番目に勧告されている事が気になった。この勧告に従うとして、“関係者”を訴追するための情報が無い。

この勧告、逆手に取ると、訴追するために調査を行う必要性があると言える。慰安婦の供述の信憑性を検証する必要があるし、朝鮮人の女衒なども探す必要があるであろう。また、日本人であろうと、朝鮮人であろうと、法廷に引きずり出すには、それなりの証拠が必要だ。舌禍の元である橋下大阪市長は、もしくは片山さつき参院議員は、この勧告の項目(b)に賛同すべきであろう。

2006年12月6日にソウル大学の安秉直教授(経済史)が「問題は強制動員だ。強制動員したという一部の慰安婦経験者の証言はあるが、韓日とも客観的資料は一つもない」と指摘している事から考えても、今のままでは誰が主犯かも分からないし、証言だけで訴追することになる。

その証言も一貫していない事が多く、信憑性に欠ける*1と言われている。また、辻褄をあわせて整理すると、日本政府だけの責任とは言い難いものも多い。例えば元慰安婦の金学順(故人)のケースの場合、保護者に売られて中国で人身売買された結果、慰安婦になったと考えられているそうだ。彼女の両親を法廷に引きずり出さなくていいのか?*2

事を荒立てるのは賢くないと言う考え方もあるし、そもそも慰安所エコシステムを作った日本政府の責任は逃れられない*3。しかし、韓国で犯罪性を誇大化する教育が行われ続けており*4、反日感情を煽る結果になっている事を考えると、旧日本軍の問題を正確に主張していく努力を放棄していいのかが分からない。

拷問禁止委員会は「(c)隠匿もしくは、関連した事実と物証の開示の怠慢」とも批判しているので、最後は陰謀論者と言い合いになってしまうわけだが。

*1インタビューごとに証言内容が変化し、慰安婦になった経緯や時期、配属された慰安所などが変化する上に、史実と矛盾する証言もある。「慰安婦と戦場の性」を参照。

*2法的に死亡者を訴追できたとしても、霊媒師が必要になるわけだが。

*3関連記事:従軍慰安婦問題における日本政府の責任

*4日韓の歴史教科書の日本軍「慰安婦」記述と相互理解

1 コメント:

Unknown さんのコメント...

 「政治的」とか「現実的」の名の下に波風立てず多少下手に出てでも穏便に解決しよう、という意見は日本でもよく見ます。言ってることはもっともらしいですが、これが反って問題の根本的な解決を妨げてきたと感じます。
 uncorrelatedさんの仰るように、これを機会に証言と証拠を洗いなおして事実を明らかにするほうが、「急がば回れ」なのかもしれません。予想される政治的困難は数知れず、調査結果が韓国に受け入れられるとも思えませんが、調査過程が適切であれば欧米からの批判は解決できるのではないかと思います。

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