サブサハラ・アフリカの低所得国の教育問題に取り組んでいるEdQualが、恐らく初等教育で、タンザニアとガーナで母国語と英語の教育効果の差の調査を行った2010年のレポート(MTB-MLE Network)が今頃になって出回っていた。
結果は見えているのだが、母国語の方がより広い教育方法を取る事ができること、教員に研修を行う事で母国語でも英語でも教育能力高めることができること、ガーナでは母国語の教科書が不足していること、英語の教科書は学習者に難しすぎること、そもそも教員の英語運用能力に限界がある事が紹介されている。
今頃になって、この調査が回覧されていたのは、グローバル化と称して大学で英語による専門科目の授業が実施されることで、教育効果を低めるのではないかと言う批判だと思われる。確かに日本語テキストも豊富であるし、教員も英語運用能力が高いとは限らないし、無理に英語を用いる必要性は特に無い。
狙いは英語学習熱を喚起する事だと思うのだが、専門科目が疎かになる弊害は考える必要があるであろう。同じ科目、同じ授業内容、同じ試験問題の英語コースと日本語コースを設けて、教員と学生を無作為抽出するランダム化比較試験を行えば弊害の評価が出来るのだが、政治家や文科省にこれを気付かせるにはどうしたら良いものか。
国会の答弁を英語でさせろと言う話はあるわけだが。
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