2020年3月10日火曜日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策は、来月以降、何ヶ月も続ける必要があるのを忘れていませんか?

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安倍内閣が政治決断で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大防止のため、春休みの前倒しによる学校閉鎖要請をし、3月末まで中国人と韓国人の入国を大幅に制限した*1。急な要請による現場の混乱の他、有効性について疑問があるのはさておき*2、こういう無理がある措置をずっと続ける覚悟なのか気になるところだ。しばらくは内外で感染が拡大していく恐れは強いし、そうでなくても対策を緩めたら感染者数の拡大に転じることになる。弊害の大きな施策なのだが、政治的にやめられるであろうか。

R₀と略される基本再生産数(Basic Reproduction Number)と言う一人の感染患者が罹患中に期待値で何人の未感染者に伝染させるかと言う指標を目にした人は多いと思うが、(モデルと現実にしっかり対応があるとして)これが高いと爆発的に感染が広まる。感染症予防の程度などによってR₀は変化し、1未満に抑えることができれば、患者をそう増やさず感染者数ゼロに収束に持ち込むことができる。1に十分近ければ、増加をしても医療機関が混雑で機能不全に陥ることは避けられる。しかし、収束する前に感染症予防を怠りR₀を1より大に戻せば、感染者は指数関数に従い増加しだす*3

専門家会議は「今後1、2週間が感染拡大のスピードをおさえられるかどうかの瀬戸際だ」と言ったわけだが、これは今後1、2週間でずっと継続可能な体制を構築し、R₀を長期間低く抑えられればと言う意味のはず。学校の閉鎖や外国からの入国制限はずっとは続けられない。春になって暖かく湿度があがれば、鼻腔や気道の炎症発生が抑制され、飛沫が空気中を漂いづらくなって感染が抑制される可能性もある*4が、専門家はSARS-CoV-2に季節性がある根拠はないと、この楽観を戒めている*5。既存薬で有効性が確認される可能性もあるが、過去の感染症騒動ではそう都合よい展開にはならなかった。社会が息切れしない予防策であるべきだ。

数週間や数ヶ月でコロナウイルスを根絶できるわけではないので、4月から学校どうするよ?という問題がこれから生じる。欧米などでも感染が拡大しだしたので、そこからの流入者をどうするのかと言う問題も発生する。専門家の見立てでは適切な感染症予防を行えば*6、全国一律での学級閉鎖も入国拒否の拡大も必要ないように思えるが、安倍総理は状況の改善なくこれらの措置を撤回しなければならない政治的リスクを背負い込んでしまった。4月までに感染拡大が収まる可能性はあるし、世論の記憶力はそんなに良くなく努力している感が重要なので、失策は支持率に響かないかも知れないが。

*1中韓からの外国人、原則入国認めず 外相「3月末まで」:日本経済新聞

*2公衆衛生学分野の研究者からの「(インフルエンザと違って)COVID-19はR0の分散が大きいから地域クラスターへの介入で抑え込もうとしているのに,全国一斉休校は真逆の愚策」と言う指摘もあるのだが、仮にインフルエンザと同様の特性があるにしても、その場合は家庭内の第一感染者は6歳以下が多く(下図)、逆に13歳以上は少ないので、保育所・幼稚園に閉鎖要請を出さず、中高に閉鎖要請を出したのはどうなんだと言う問題が出てくる。

入国制限も高い効果は望めない。(1)国内感染ゼロを目指す水際防止ではなく、国内での感染拡大ペースを抑える段階に入っているので、外国から感染者がやってくることは、もはや感染症予防としては大きな意味を持たない。(2)中国や韓国は国内での拡大抑制に熱心であるし、とくに中国は日本では取れないような厳しい移動制限をかけているわけで、中国から感染者が大挙してやってくる可能性は低い。(3)中国や韓国以外でも流行が拡大している。

*3免疫を持つ人々の比率があがると、再生産数は下がっていく一方、一定期間で患者も回復する(か死亡する)ので、患者数のグラフは山なりになる。

*4アングル:新型ウイルス、「春になれば抑制される」は本当か - ロイター

*5新型コロナ、「春に終息」と言えないこれだけの理由 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

*6クラスターと言うか集団感染箇所は、{換気の悪い密閉空間}∧{多くの人が密集}∧{近距離での会話や発声}なので、全部の要素が満たされないように工夫し、手洗い・うがい・洗顔を徹底をすればよいようだ。ぼっち飯は余裕であるが、首、手のひら、指の間、指先、爪の間まで念入りに二度石鹸手洗いが面倒である(´・ω・`)ショボーン

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