2018年10月23日火曜日

ジェンダー論をやっている社会学者にも「マンガ 化学式に強くなる」を読んで欲しい

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そして発狂して欲しい。

ある秀逸なエントリー*1を眺めて興味をもって「マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー」読んだのだが、面白かったので紹介したい。日本のポピュラーサイエンスの雄、講談社ブルーバックスの一冊なので同人本ではない。中学生向きなのだが、オトナにも3つの意味で懐かしいと思う。

内容は、男性経験が豊富で脳みそが色ボケしている女子高生に、恋愛経験なく奥手なつくばの研究者(ただし、チェック柄のシャツではない)が化学を教えるという、ジェンダー論をやっている社会学者が発狂しそうなプロットの学習マンガである。白いモノで、先生役のつくばの研究者は塩を連想し、生徒役の女子高生は…恥ずかしくて言えない。

創作物がジェンダー・ロールに影響を与えるかは疑わしい*2し、そうだとしても女の子だから科学にやる気がないと言う偏見なのか、やる気がない女の子も化学を勉強すべきと言う主張なのかは解釈の余地があると思うし、家政学部あたりでは化学知識は重要なので、専業主婦的な団塊世代ジェンダーロールと女子の科学忌避は実は整合性が無いと言う批判もあり得るのだが、女性が聞き手役なのはキズナアイ騒動と同様なので、ジェンダー論をやっている社会学者には許せないであろう。

中高の化学で何を習ったかなんて忘れている人々は多いであろうが、化学知識の欠落により、複数の洗剤を混ぜて使おうとしたり、アルミ缶に洗剤を入れる事故はちょくちょく起きている。たまには記憶を呼び起こす価値はある。読めば、習ったな、懐かしい内容だなと思うし*3、鈴木みそ氏の絵柄*4も今となってはレトロな感じで懐かしい。

もう一つ懐かしいポイントがあって、不純異性交遊的な恋愛に積極的な女子高生と言うキャラクター。1990年代は援助交際などが話題になったが、年齢不詳の先生役も本当はおっさんであることを考慮すると、やはり時代を反映していると思う。最近の女子生徒の性行動はやや保守化*5し、スカート丈なども長くなっている*6そうだ。

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