2017年10月31日火曜日

対面に比べて教育効果の低いオンラインラーニングも使いよう

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インターネットが普及してから、様々なオンライン教育サービスが提供されてきた一方で、対面教育に比較して教育効果が低い事が指摘されてきた。米国の大学のデータを分析した研究*1によると、学業成績が悪く、履修単位数が少なく、中退率が高い*2。このようにオンライン教育はダメなサービスとしてイメージが定着しつつあるのだが、何も無いよりはがマシだと言う研究もある*3

メイン州とバーモント州の小規模校でのランダム化比較実験で、優秀な生徒にランダムにオンラインラーニングで代数の特別クラスを提供すると、普通の数学のクラスを受講した集団と比較して代数の成績を伸ばす事ができたそうだ。代数を集中的に勉強したら代数ができるようになったと言うつまらない結果な気もするが、上級者向け数学クラスと言う位置づけのようだ。小規模校なので、優秀な生徒のために特別クラスは用意できないため、オンラインラーニングが唯一の選択肢になり、政策的には有用と言うことになる。

なお、オンラインラーニングを使わない方が良い状況も示されている。シカゴの学校で代数の単位を落とした成績不良者にオンラインラーニングで補修をしたら、対面クラスに対して悲惨な結果が得られたそうだ。

*1The downsides of virtual learning - Online courses can create setbacks for students. - American Economic Association

*2原因として、対面教育では教員が生徒を励ましたり、時間管理が容易になると言う仮説が立てられている。つまり、惰性が問題になると考えられているようだ。なお、オンライン・コースの方が講義内容は往々にして整理されているし、宿題や補習や質問時間などは提供されている(米大学、進むオンライン・コース 学位も取れる、世界にPR:日本経済新聞)。

*3Online schooling: Who is harmed and who is helped?

1 コメント:

読者A さんのコメント...

オンライン教育の一例ですが、
医師国家試験では現状2-3名の人気講師の独占市場となっていて、彼らの講義動画を全国の医学生が受講しています。
やはり明確な合格率の差があるため伸びてきた分野ですが、一部の私立校になると学校から推奨されています。

医師国家試験の可否は重大事なのでご指摘のように惰性の問題が克服されやすいのかと推察します。
全国に散らばる合わせても9000人前後の集団に対する手法としてはオンラインでないと採算の面で支障があるのでしょう。

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