2017年10月16日月曜日

公的年金支給開始年齢の引き上げの60歳以上就業者数への影響

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はてサのid:scopedog氏が「55~64歳の年齢階級で就業者数が安倍政権になって増えた理由は、年金支給開始年齢の引き上げが2013年から開始されたから」と主張しており、その理由として「55~64歳の年齢階級で2013年から15歳以上人口に対する就業者数や非労働力人口の割合の推移傾向が変わっている」からだと主張している*1。明らかに変なのだが、ブックマークのコメント欄でちゃんと突っ込んでいる人がいなかったので指摘しておきたい。

{(55~64歳就業者数)/(15歳以上人口)}が増加しているわけだが、55~64歳就業者率が増えて、分子の(55~64歳就業者数)が増えたとは限らない。高齢化の影響で(15歳以上人口)が減った場合でも増加する。だからid:scopedog氏が出したグラフは、氏の主張の根拠にはならない。

以前に使った男女別の(55~64歳労働力人口率)のグラフを見てみよう。労働力人口は就業者数と求職者数の合算値で、お金が無くて働いている人と働きたい人の合計で、さらに55~64歳人口で割っているから、id:scopedog氏が作った指標よりも、よりid:scopedog氏の検証に向いている。

男性は横ばい、女性は増加。年金支給開始年齢が遅くなるのは男性が先なので、id:scopedog氏の年金支給開始年齢の引き上げが労働供給を増やしたと言う説は否定された。私も2013年から高齢者雇用安定法が施行されて、以前より高齢まで働く人が増えると予想していたのだが、数字はそうはなっていなかった。なお、労働参加率を確実に増やしているのは、25~54歳の女性だ。2016年から、35歳~44歳の男性の労働参加率も上昇した。

議論に決着をつけるための数字と言うのは、しっかり取らないといけない。南京事件のように、そういう数字が取れない場合も多いのだが*2、日本の雇用統計で作れる数字ぐらいは頑張って作ろう。なお、時系列データなので統計処理に気を使わないといけないことなどもあるから、その辺も注意されたし。

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