2015年2月27日金曜日

鉱工業指数は持ち直し、商業動態統計は低調なまま

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2015年1月の完全失業率が3.6%に悪化したので、消費税率引き上げの悪影響が出てきたのでは無いかと危惧する人を見かけた。生産年齢人口が減るなか、就業者数と雇用者数が増えているので、就業意欲が増した人が増えただけと解釈するのが自然だと思うが、雇用は他に有効求人倍率も出ているし、雇用以外の生産と消費の指標も出ているので、1989年の消費税導入、1997年の消費税率引き上げと比較しつつ確認してみよう。

2015年2月25日水曜日

残業代ゼロ法案に関する八代-ささき-渡辺論争の本当の争点

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国際基督教大学の八代尚宏教授のホワイトカラーエグゼンプション法案の説明について、労働問題を手がける弁護士の佐々木亮氏*1と渡辺輝人氏*2が強く批判している。しかし、見解の相違がどこから来ているのか良く分かっていないようだ。細部も色々あるようだが、雇用主に従業員の労働時間を減らすインセンティブが無くていいのかが一番大きな違いになっている。そしてそれが必要か否かは、誰が労働時間を決めるのかにかかっている。

日本に奴隷はいたし、宗教抗争もあったから

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「朝日新聞を糺す国民会議」代表呼びかけ人で外交評論家の加瀬英明氏が、日本に奴隷が全く存在しなかった、宗教対立も宗教抗争も存在しなかったと、日本外国人特派員協会で言い出したと話題になっている(J-CAST)。日本に奴隷はいたし、宗教抗争もあったから。歴史の本を読むまでもなく、検索したら色々と出て来る。

2015年2月18日水曜日

今、左派は金融緩和や財政政策を訴えるべきなのか?

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マルクス経済学者の松尾匡氏へのインタビュー記事、「左派こそ金融緩和を重視するべき」が、朝日新聞のサイトに掲載されていた。出だしは左派は雇用拡大を重視しているのだから金融ハト派であるべきと言う話で、金融政策に限らず消費税など財政政策への言及が多くなっていた。しかし、話の前提が成立していない気がする。今はマクロ経済政策が必要な不景気なのであろうか?

2015年2月15日日曜日

あるアニメの中の解析概論

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大学教育において聖書のようにある分野の人は必ず読んでいる(ことになっている)有名な教科書はあるものだ。そして何だかんだと読むのに時間がかかるので、読んだ人は親近感を持っている。高木貞治『解析概論』はその代表的なものの一つで、他の教科書で言及されていることも多い名著だ。で、アニメ「デュラララ!!×2」に『解析概論』が出ていたと盛り上がっていた(togetter)。

2015年2月14日土曜日

偽科学の信奉者は大数の法則も妄想で語る

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統計用語やその定義を確認してから色々と妄想すれば良いと思うのだが、疑似科学ニュースのメカAG氏が「ノイズに対して大数の法則を適用することはできない」と主張している。なかなかの偽科学っぷりで興味深い。

通常、時系列に入るホワイトノイズは正規分布するので、大数の法則に従って期待値であるゼロに平均回帰する。確率変数で大数の法則に従わないのは、期待値が無いコーシー分布のような特異なケースに限られる。これは数学的に証明されている話*1で、議論の余地は無い。

2015年2月12日木曜日

曽野綾子のコラムが暗示する問題

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産経新聞の作家・曽野綾子氏のコラム「透明な歳月の光」が、反感を呼んでいる。コラムでは、高度な日本語能力も専門知識も要らない介護のために労働移民を受け入れるべきだが、文化ギャップがあるので法的に居住地は別にすべきと主張している。根拠は何十年か前の南アフリカの話のようだ。

2015年2月10日火曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(6)

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季節調整済の就業者数の一階差分、二階差分の集計値の妥当性を批判するために、疑似科学ニュースのブログ主のメカAG氏が、就業率の12ヶ月移動平均の一階差分、二階差分を見ていると言い出した。ある集計データの特性を議論するのに、他の指標を持って来ておかしいと主張するのが、偽科学の信奉者らしい。それでも一応、どんな問題があるか指摘しておきたい。

2015年2月9日月曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(5)

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偽科学の信奉者は、手前勝手で論理的な根拠を欠くデータ処理を行なったグラフを作成することが多いし、処理方法を公開しないことが多い。疑似科学ニュースのメカAG氏も偽科学の信奉者らしく、作成方法不明のグラフを公開していた。メカAG氏が読んでいる科学読本には科学は手順が大事だと書いていなかったのであろうか。私の説明に従っていると書いてあるのだが、数字的にあわない。

疑似科学ニュースに必要な統計学の初歩的な知識

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疑似科学ニュースのメカAG氏がオレ流統計学を開拓されている。偽科学の信奉者は大抵は統計学に弱いので、メカAG氏がそうであっても意外では無いのだが、誤差は足せば足すほど目立たなくなる事は知っておくべきだと思う。メカAG氏は誤差が大きくて就業者数の差分の統計は意味が無いと主張しているのだが、初歩的なところで勘違いしている。

2015年2月8日日曜日

日本の整理解雇は人員選定が独特

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経営破綻し会社更生法の適用を受けた日本航空が、整理解雇された運航乗務員や客室乗務員が裁判所に不服を申し立てていた事件だが、整理解雇は妥当なものだと確定した*1事に関し、労働問題が専門の濱口氏が日本人の解雇に関する感覚の特殊性を嘆いている。メディアと判決文の両方を批判しているのだが、話がちょっと分かりづらい。人員選定の正当性に対して注意が払われていないと言う批判だと思うが。

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(4)

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先日から続いているやり取りで、だんだんと「疑似科学ニュース」ブログ主のメカAG氏が錯乱してきたようだ。就業者数の計量分析とは関係ない一昨年のLNTモデルの話を持ち出してきたのだが、当時指摘されていた問題点に未だ気づいておらず、錯乱しているように思える。もともとのLNTモデルに関するやり取りで、何を指摘されていたのかさっぱり理解していないようなので、いかにメカAG氏が論理的に破綻した主張を続けているか、なるべく端的に指摘したい。

2015年2月5日木曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(3)

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前のエントリーの「今でも就業者数は断続的で階段状に動くと信じているのか?(yes/no)」と言う問いかけに関して、(1)季節調整の方法は問題ではない、(2)1年を通じて雇用は変動する、(3)雇用主の年間採用計画は4月に決定されると言う主張が返ってきた。問いに対する答えは明確では無いが、(2)からnoと読める。一応、決着がついた。

2015年2月4日水曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(2)

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先日からやり取りしている就業者数に関して、一般の偽科学信奉者と似たような感じで、疑似科学ニュースのブログ主のメカAG氏が認知的不協和を起こしているのだが、バラバラに見せた図が整理しきれていないだけかも知れないので、一つにまとめてみて現状認識を問いたいと思う。

メカAG氏は就業者数の非季節変動は階段状であるので、月次データから一年間のどこで変化があったかを識別するのは無理だと主張している。実際に観察するのは季節調整値であるが、非季節変動が非階段でも、季節調整値が階段であれば問題になる。つまり、真の非季節変動の雇用者数が階段状になっているか否かが論点になっている。

2015年2月3日火曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる

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先日からやり取りしている就業者数に関して、一般の偽科学信奉者と似たような感じで、疑似科学ニュースが認知的不協和を起こし始めた気がするのだが、単に勘違いをしている可能性もあるので、問題と論点を整理して、まだ自説を維持しているかを問いかけてみたい。データ的には同じものを挙げる*1

問題は月次データから一年間のどこで変化があったかを識別できるかで、ブログ主が恐らく想定しているように階段状であれば識別するのは困難だ。だから非季節変動の雇用者数が階段状になっているか否かが論点になる。

視覚的には納得してもらえないので、階段関数の数理的特徴を整理した上で、統計をとって議論してみたい。

2015年2月2日月曜日

長期雇用も年間を通して増減している

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疑似科学ニュースに就業者数の変化を月次データで分析する事について、精度が低く分析に値しないと文句を言われている。曰く、「(長期)雇用の変化は不連続」だから、分析結果の精度が低くなると言いたいらしい。経済学者や市場関係者は月次でデータ分析をしていたりするので本当だったら面白いのだが、データ的には誤差はあるものの連続的に変化していると見なしても問題なさそうだし、連続的に変化する理由もある。人数だから離散値と言う話で無ければ、無理があるのでは無いであろうか。

2015年2月1日日曜日

統計で嘘をつく方法でアベノミクスを擁護してみる

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宴会芸程度の話なのだが、統計で嘘をつく方法を駆使してアベノミクスを擁護してみよう。先日のエントリーに対して「擬似科学ニュース」が色々と考察した上で、12ヶ月単純移動平均で見ると2013年1月から就業者が増えていると指摘してきた。この指摘は数字をそのまま見れば正しいのだが、12ヶ月単純移動平均がトレンド転換を反映するのが遅いことを忘れている。そしてアベノミクスを擁護するのであれば、もう少し小難しくて、それらしい方法がある。