2015年1月の完全失業率が3.6%に悪化したので、消費税率引き上げの悪影響が出てきたのでは無いかと危惧する人を見かけた。生産年齢人口が減るなか、就業者数と雇用者数が増えているので、就業意欲が増した人が増えただけと解釈するのが自然だと思うが、雇用は他に有効求人倍率も出ているし、雇用以外の生産と消費の指標も出ているので、1989年の消費税導入、1997年の消費税率引き上げと比較しつつ確認してみよう。
1. 有効求人倍率は依然、好調
有効求人倍率はやや低下したが依然としてバブル期まで遡らないと無い高い水準を維持している。新卒求人も好調なので、ここは意外性は無いであろう。
2. 鉱工業指数は持ち直す
生産状態を表す鉱工業指数は、夏ぐらいを転機に上昇している。1997年よりも悪かったのだが、昨年比でみると状態は逆転したようだ。
3. 商業動態統計は下降に転じている
商業動態統計は好調ではない。秋までは回復していたのだが、そこから下降しだした。全般としては弱い。
4. まとめ
雇用の割には消費が弱いのが特徴となっている。1997年になぞらえて危機感を煽る人々もいるが、今のところはだいぶ状況は異なる。今後、景気が改善するのか悪化するのかは分からないが、円安で国内工場の生産拡大や新規操業などのニュースも流れてきているし、原油価格も随分と下がった。先行きの不安は、大きくは無いように思う。
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