2013年10月2日水曜日

地球温暖化対策として鉄散布は無駄でした

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地球温暖化への対策としてジオ・エンジニアリングと言う発想がある。例えば、光合成を行い二酸化炭素を吸収するプランクトンが死ぬと海底に堆積するのだが、硫酸鉄を配布して人工的にプランクトンを増やしてしまえば、二酸化炭素が大量に吸収されると言うものだ。これを実際に米国のビジネスマンが無断で実験を行い物議を醸したりしていた*1のだが、最近の研究によると無駄らしい。

まず、プランクトンは鉄だけではなく窒素も必要としているのだが、鉄だけ供給すると海中の窒素を急激に消費してしまい、その数を十分に維持できないようだ。英国とノルウェイと南アフリカの研究者の調査によると、2010年のアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火の後に鉄分が光合成プランクトンを大量発生させたのだが、すぐに窒素不足で死滅したらしい(POPSCI)。

次に、米国のジョージア工科大学の地球科学者であるEllery Ingall氏らによる西南極海沿岸の調査によると、雪解け水に含まれる鉄分はケイ素で出来たプランクトンの珪藻がせっせと鉄を取り込んで殻に取り込む。珪藻も光合成をして二酸化炭素を取り込むので結果は良いように思えるが、珪藻は鉄を取り込んだ状態で堆積するため、光合成プランクトンの増加効果が長続きしない(POPSCI)。

海中の生態系は思ったよりも複雑なので、単純なひらめきの通りには行かないと言う事のようだ。それはともかく、漁獲量などはコントロールすべきだし、漁礁なども作ったりするとは言え、地球温暖化対策で海を富栄養化をしようと言う発想が、いかにも米国風味ではある。

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