2012年11月23日金曜日

ポピュリズムを、取り戻す ─ 自民衆院選公約を分析する

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自民党の政権公約が出てきたが、328項目もあって長い(自民党選挙公約(案))。自民党内で意見を集約したというよりは、意見を網羅したと言う感じだ。整合性を考えているのか良く分からない。基礎的財政収支の健全化を計りつつ、あちこちにばら撒くと言う主張になっているのだが、増税は主張していないからだ。

1. さらなる金融緩和を目指す

金融政策については散々と報道されているが、「日銀法の改正」に言及してデフレ脱却・円高是正を主張するところが、急進的なリフレーション政策となっている。しかし、インフレ率2%、名目成長率3%は、実質経済成長率1%なので控えめな目標ではある。1991年度から2011年度までの平均実質経済成長率が0.9%(図録▽経済成長率の推移(日本))。

2. 基礎的財政収支は健全化する算段

基礎的財政収支の健全化は、以下のようにあり、堅持されている。

平成27年度(2015年度)には国・地方のプライマリー・バランス赤字の対GDP比の半減(平成22年度の水準比)を実現し、平成32年度(2020年度)までを目途に国・地方のプライマリー・バランスを黒字化するとの目標を堅持

インフレを発生させて名目GDPを上げても、基礎的財政収支は改善しない。基礎的財政収支は大雑把にいって、税収から国債の利払いを除く歳出を引いたものになるが、この二項目は両方ともインフレで増加するからだ。もちろん累進的な所得税と法人税によって税収の方の増加ペースが大きいが、その係数は1.1と言われており大きな値ではない。

3. 公共投資、各種交付金、法人税軽減、そして防衛費の増加

明らかに支出増になる政策が列挙されており、悪く言うとばら撒きになる。「国土強靭化」「復興交付金の充実」「子育て交付金創設」「地方への交付金拡充」「ソフト事業交付金」「離島漁業再生支援交付金」とあるし、「法人税の大胆な引き下げによる雇用の拡大」や自衛隊の機能強化も訴えているので、予算規模は拡大する。

4. 大衆迎合的な政策の成り損ない

狙っている実質経済成長率の増加は少ないので、インフレ課税の強化を狙っているのだと思うのだが、基礎的財政収支の健全化と言う目標には合致しない。GDP比の累積債務の増加を抑制と書いておけば良かったと思うのだが、基礎的財政収支とあるのが残念だ。参院選では改善を期待したい。

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