2012年11月19日月曜日

そんな日銀引き受けネタでおれが釣られるかクマー!

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メディアが安倍晋三自民党総裁が建設国債の日銀引き受けを示唆したと盛り上がっている*1。安倍氏の過去の発言では「国債発行した場合、日銀にある程度引き取ってもらうと。これは直に取ってもらうということでなくて市場から取ってもらっていいんですよ」とある*2ので憶測記事だと思うが、多くの人々が釣られている。私も参戦したい。

1. 日銀引き受けの問題点を指摘するエントリーたち

出遅れていて既に関連リーディング・リストが出来ているわけだが、ざっと読んでみよう。

  1. 暴走する安倍晋三氏
  2. 安倍総裁をコケにする池田信夫の説得力
  3. 日銀の国債引き受け禁止は財政規律である
  4. 日銀による国債引受が禁じられている理由 : 牛さん熊さんブログ

全般的に量的緩和の拡大として捉えられ、名目金利は既にゼロ付近で緩和効果が望めないこと、過去の量的緩和の結果から銀行貸出が増えていないことから、その無効性が強調されている。また、常習化する癖がある事も指摘されているが、その理由が少し曖昧に感じる。

2. 日銀引き受けは金利が市場で決まらないのが問題

日銀引き受けは、国債金利の値付けが恣意的になりやすい。資本市場の売買で、国債の価値が定まらないからだ。デフレ時のゼロ金利だと、市場オペも日銀引受も同じになるが、インフレ時で金利が高いときは造幣益(シニョレッジ)が大きくなる。

インフレが拡大したときに、国債金利も上昇していけばシニョレッジは大きくならない。しかし、恣意的な低金利でシニョレッジが拡大すると、歳出削減や増税などの反対を呼ぶ財政規律を行い、インフレを抑える意欲が減退する。

多少のインフレで収まるか、かなりのインフレになるかの議論があるが、戦前にリフレ政策を推進した高橋是清は、財政再建のために軍事予算の縮小を図ったところ、二・二六事件において青年将校らに暗殺された。

3. インフレ予測を引き上げる効果はあるが・・・

あえて日銀引き受けを擁護すると、長期国債の大量保有は金融緩和の長期コミットにもなるわけで、自動的に長期的な金融緩和が約束されることから、予測インフレ率を引き上げる可能性はある。そして手法はともかくインフレ期待の引き上げは、投資を促進すると考えられる*3。ただしインフレ期待の引き上げは、他にも方法があると考えられるし、長期国債を市場から購入したって問題は無い。高いインフレ目標を宣言しておくだけでも良いはずだ。

4. 挑発的な自嘲は見苦しい

本論とは関係ないのだが、池田信夫氏の「・・・大学法学部卒の彼が経済学を理解できないのはしょうがない」発言は、「・・・大学博士課程(政策・メディア)修了の彼が経済学を理解できないのはしょうがない」と揶揄されかねない。経済学が簡単か否かはともかく、秘密のヴェールに包まれた魔法では無いのだから、せっせと学習していけば誰にでも理解できるもの。池田信夫氏もテキストをしっかり読めば、きっと経済学の基本的なモデルは理解できるはずだ。ぜひ経済学を勉強してもらいたい。

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