2012年4月22日日曜日

DSGEの予測力は悪くない?

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現代マクロ経済学の主要ツールであるDSGEが役立たないは、良く聞く話である。しかし、ニューヨーク連銀のブログで、幾つかのDSGEモデルと専門家のコンセンサス予測(Blue Chip forecasts)を比較して、適切なデータを利用すればDSGEの予測力も悪くないと主張している。

ブログで予測制度の検討に使っている総生産成長率の実データと予測値をプロットした図表を見てみよう。黒太線が予測に使った実際の値、黒点線が予測に使われていない値だ。黒太線のデータから、黒点線に近い予測値を出すモデルが望ましい事になる。赤線がDSGE、ライム線が専門家のコンセンサス予測となる。DSGEは上段からSWπ Model、SWπ-FF Model、SWπ-FF-Current Modelの三種類が並べられている。モデルの主な相違点は金利スプレッドの取り方のようだ。

2008年8月中旬までのデータをSWπ-FF-Current Modelで予測すれば、リーマン・ショック後のパニックを予測できたそうだ(右側下段)。この結果は、専門家のコンセンサス予測と大差ないので、DSGEの予測力は悪くないように見える。

しかし3モデルがあって、専門家のコンセンサス予測と同程度の予測ができたDSGEモデルは一つだと言うのは、信頼性が低い事もまた示している。説明を読む限りはSWπ-FF-Current Modelが理論的に優れている確証があるわけも無さそうだし、たまたま一致しただけの可能性もあるからだ。

今後もDSGEの研究は進んでいくと思うし、いつか最も信頼される分析ツールとしての地位を得るかも知れない。しかし今の所はDSGEの信頼性が低いと言うのは変わらないようだ。だから住宅価格の推移(Mother Jones)を見て、あーやばいなーと思うぐらいの予測でも、そこそこの正当性があるように思える。今から思えば確かに危ない住宅バブルだった。

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