2012年4月11日水曜日

消費税増税に挑む野田首相のスピーチ

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ぶら下がり記者会見に応じず、泥に潜ったドジョウと揶揄される野田首相だが、「平成24年4月7日 「明日の安心」対話集会 in 兵庫」の動画で、メッセージが確認できるので視聴した。なかなか論理的かつ堂々としており、好感が持てる。

首相のメッセージを要約すると、次のようになる。

  1. 国民皆年金と国民皆保険が社会保障制度の根幹で、かつ優れた制度である
  2. しかし、高齢化や少子化の問題が社会保障制度、特に年金制度に影響を及ぼしている
  3. 予算の急激な拡大が一つの問題であり、既に製造業の生産高85兆円よりも社会保障の給付は大きく、今後毎年1兆円づつ増加する見込み
  4. 世代間の不公平性も一つの問題であり、社会保障の給付のうち70兆円は高齢者で、負担は若年者である。現役世代、将来世代の負担を減らす必要がある
  5. 現状は財政赤字でまかなっているが、これは将来世代の負担になる上に、欧州危機のような経済危機を招く可能性がある
  6. 行政改革はし続けていくが、歳出削減はできない。国債償還2割、地方交付税2割、社会保障費3割。教育や防衛、公共事業は削れない。
  7. デフレ脱却をしても、毎年10%の高度成長期はやってこないため、税収の自然増は期待できない
  8. 全ての世代が負担でき、景気変動をあまり受けない消費税の増税が必要
  9. 消費税の増税と言う必要な政策は明確なのに、政治機能が麻痺して実行できていない

フロアから給付削減について質問が飛んだときは、歯切れの悪い回答を述べていた。実際は、「社会保障と税の一体改革案」では、年金給付開始年齢も65~70歳に引き上げられる他、所得税や相続税の増税も謳われている。高齢者世代の負担も増す面はあるが、大きな声では言いたく無いようだ。

代間の公平性に配慮する一方で、同一世代内の貧富の差には大きな配慮がない事などに不満を持つ人、年金世代に税負担を課すのであれば消費税よりも相続税の方が望ましいと考える人もいるようだが、概ね筋が通ったスピーチのように感じた。

なお、本来ならば、ずっと社会保障制度の維持のために消費税増税を訴え続けている自民党の谷垣総裁のスピーチであってもおかしく無い内容。何らかの修正はともかく、本当に、「社会保障と税の一体改革案」が国会で可決されなければ、The Economist誌が指摘するように、政治機能が麻痺しているとの批判は免れ得ないであろう。

1 コメント:

Yutaka Yamada さんのコメント...

さあ増税、新聞だけ特別扱い?大新聞が「野田歓迎」の理由−【私の論評】確実に滅ぶ民主党政権のご機嫌伺いをしていては、裏目にでる確率のほうが高いかも?
http://goo.gl/968LX
こんにちは。昨年野田政権が発足して以来、大手新聞は、野田さんに好意的な記事を掲載しています。これに関しては、理由があります。それは、早い話が、大手新聞は、消費税増税になっても、自社だけは、軽減税率を適用してもらいたいがために、野田政権寄りの記事を掲載しているということです。大新聞は、実際に増税されたとして、そのときに、どのようなことになるか考えていないようです。増税後には、民主党政権が確約しているように、税収があがるということなどはあり得ません。逆にデフレが深化するか、スタグフレーションに陥り税収は減り、また、増税しなくてはならなくなるという、増税スパイラルに陥る可能性が大です。そのときになれば、いくら、時の政権が、再増税の必要性を叫んでも、もう国民の支持は得られないでしょう。というより、民主党や自民党以外の勢力が、政権の座についていれば、そのような愚かな主張はしないでしょう。それに、増税賛成の立場を貫いた大手新聞も、憎しみの対象になるに違いありません。そうなれば、購読者がますます、減ることになります。詳細は、是非私のブログを御覧になってください。

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