2011年8月16日火曜日

上手く再生可能エネルギー特措法を修正した自民党

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再生可能エネルギー特措法の修正案の内容が伝わってきた(asahi.com読売新聞片山さつき Official Blog)。上手くマニフェストを守りつつ、再生可能エネルギー特措法の問題点を修正しつつあると評価できる。片山さつき女史が嬉々として語る修正ポイントを確認してみよう。

民主党も自民党もマニフェストにFITは明記しており、内容はともかく再生可能エネルギー特措法が成立するのは必然だった。問題は内容で、原案では買取価格において経済産業大臣の権限が強く、ガバナンスに大きな問題を抱えていた。この点については、以下のように修正されたそうだ。

価格設定、買取期間の設定については、国会同意人事からなる「第三者委員会」で検討し、価格や期間の根拠となったさまざまな数値や計算方法を国会に報告させる

これで少なくともFITで暴利をむさぼる事は不可能になった。標準的な参入企業に持たせる利幅は3%でも7%でも構わないのだが、手続きの透明性は重要だ。

ドイツのケースではFITは問題を抱えている。つまり再生可能エネルギーの中でも低コストのある風力と、高コストの太陽光が同程度の利潤を生むようになり、太陽光発電が得る補助が全体の半数を占めるに至った(RUHR)。風力発電の技術開発が進む一方で、太陽光発電のコスト低減が十分に進まなかったのにである(関連記事:陸上風力発電の限界)。日本でも恐らく同様に失敗するのであろうが、その程度を抑えるためには、客観的な買取価格の提示が必要になる。

賛否を言えば依然としてFITには反対なのだが、ガバナンス上の問題が改善された事は評価するべきであろう。FITにより需要家負担は増加するであろうが、1、3、10年後の見直し時に負担程度が検証されるので大事にはならないであろう。どちらかと言えば、政治リスクを恐れて新規電力事業者が参入できない可能性の方が高いかも知れない。

片山女史がブログで太陽光パネルの世界シェアや蓄電技術に注意している所は、さすが元官僚と言ったところで現実は把握している感じはする。ブログがキャピキャピしている(「ずるい!」と書かれても・・・)のが何だか気にならないわけでもないが、ミッションが明確になると力を発揮する人のようだ。そのパワーを使って浮体式洋上風力発電を推進してもらえないかと思う。再生可能エネルギーで最も期待が持てる発電源だ(関連記事:三陸沖で浮体式洋上風力発電の実証実験を)。ぜひ公費を使って海外視察に行かれて、ブログに感想を書いて頂きたい。

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