虚偽の性被害告発をした新井町議のリコールに関して抗議を行った草津町フラワーデモ主催者側の一人である北原みのり氏が、市民団体が提案した港区男女平等参画センターの講師を勤めることを拒絶されたことが話題になっている。企画確定前のキャンセルだ。
北原氏が公開した港区の担当者の市民団体へのメール*1では、審査会で①草津町フラワーデモと②トランスジェンダーの性自認に懸念を示したことにSNS上で非難が集まっていることが問題視され、「SNSや来館者の反応による運営リスク」が懸念されるため、市民団体に講師を変更するように依頼している。
キャンセルカルチャーになるかは分からない。港区男女平等参画センターに北原みのり氏のキャンセルを求めた人々がいたとは言及されていないし、北原氏を講師とすることで今後の活動が困難になるともされていない*2。しかし、港区のキャンセル理由が、理屈ではなく社会圧で言論を封殺するキャンセルカルチャーに迎合的でよくない。
港区は、北原みのりが講師に相応しい識者ではないと判断したとせず、北原氏へのSNS上の非難を理由としている。脅迫があったとか、抗議活動で業務が停止したわけではない。北原氏が指摘しているが、これまでの講演で「SNSや来館者の反応による運営リスク」が顕在化したことはなく、そもそもSNSでの反応が何かのリスクと捉えるのがおかしい。理由になっていない理由で、拒絶した。
「今回の講座テーマとも関連する「フラワーデモ」が草津町問題において…」とあるので、業務内容に関係のある北原氏の言説が取り上げられてはいる。これで港区が北原氏を講師に相応しくないとしていれば、もう少しマシな態度であった。採用のお断りでは理由は明示しないわけだが、市民団体の提案を承認するフローで仕事をしているわけで、拒絶するならばしっかり理屈を考えなければならない。
*1自由な言論空間を諦めないために。港区男女平等参画センターでのキャンセルについて。|北原みのり
*2一般社団法人ひょうご部落解放・人権研究所が、ジェンダー社会学者の牟田和恵氏が講師として予定されていた「2023年度ひょうご人権総合講座ジェンダー①(総論)」を中止した事例では、理由に「研究所と関わりの深い方々が牟田さんの主張を批判しており、牟田さんに講義をしてもらうことで、研究所が牟田さんの主張に同調していると解釈される恐れがあり、今後の研究所運営に支障を来す懸念がある」と説明されていた。
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