産経新聞のコラムが、従軍慰安婦問題に関するラムザイヤー論文が撤回されなかったことに関して、「厳正な審査の結果、真実と認められた」と主張し*1、ネトウヨの皆さんがそれを請け売りして沸き立っている。しかし撤回に値するような瑕疵(i.e. 捏造や剽窃)などが無かったと言うだけで、論文の主張の真実性が認められたわけではない*2。
学術雑誌に掲載は、編集者が依頼した査読者がその分野の分析手法に沿っているとかいう意味で一定の品質があると考えただけで、論文の主張が真実であると言うことは必ずしも保証しない。理論だったら内的整合性ぐらいは期待したくなるが、致命的かはさておき、後で誤りが見つかることもある。今回の雑誌よりもずっとずっと各上の学術雑誌に掲載された論文ですら、再現性が無いとか、計算が誤りだったとかある。
ラムザイヤー論文も粗が色々とある*3し、ラムザイヤー論文批判も同じかそれ以上に粗がある*4状態で、誰も真面目に歴史研究をしようとしていないのではない感がある慰安婦問題ではあるが、とりあえずポリコレ違反の異論が問答無用で抹殺するような事にならなかったのは朗報。しかし、それだけであって、異論が正しい事が認められたわけではない。
0 コメント:
コメントを投稿