2018年5月4日金曜日

白人のチャイナドレス着用は、白人の文化盗用ではなく、中国人の文化的勝利

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男女ペアが要求される事から悪名高い、北米の高校の学年末のダンスパーティーであるプロムに、チャイナドレスを着用しその画像をSNSで公開した女生徒が、文化盗用だと非難されている。いつものポリコレ棒。しかし、ニューヨーク・タイムス誌では、米国では炎上しているが、中国ではそうではないと紹介している*1。意外に賛否両論だ。

文化盗用(cultural appropriation)が聞きなれない人は多いと思うが、支配的地位にある白人が、抑圧されたマイノリティの文化をその本来の、例えば宗教的な意味を無視して模倣する事を指す社会学用語である。同じ文化圏の同じ装いでも本来の用途は変化するので、それに固執する意義は低い気もするが、信仰対象がコミカルなキャラクターとして扱われたら腹立たしいであろう。

さて、チャイナドレスが文化盗用と言うのであれば、チャイナドレスがどのようなものかを知らないといけない。NT誌によると、チャイナドレスは満洲族の民族衣装が清朝で漢民族にも広まり、それが1930年代の上海でセクシーに変化したものだ。1930年代に流行った何かであって、1960年代のtwiggy的なところがある。

中国人にとっては神聖なものでも特別の意味を持つものではなく、西欧人の着用は文化盗用ではなくて文化的勝利と見なされるらしい。中国の春秋戦国時代に趙国が馬に乗って戦いやすいように、周辺異民族の胡服を取り入れるときに反対があったと伝わっているが、漢民族は真似される方が優位な文化であると考えるようだ。

中国人もクリスマスやハローウィンを祝っているし、クリスチャンでもないのに余裕でウェディングドレスを着て教会(と言うかチャペル)で結婚式を挙げているので、文化盗用などと言い出すとブーメランとなって自らに突き刺さる事を自覚しているだけなのかも知れない。そろそろ中国人も支配的地位に返り咲く予定だろうし、白人優位社会も終わっていると思っているだろうし。

ところで話題の写真、文化盗用と言う観点から言うと、チャイナドレスよりもお辞儀の仕方の方が気になる。身体が曲がっているのは写真の都合だと思うが、これはタイ風になるのでは無いであろうか。中国で女の子が拱手して良いのか知らないが。

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