ask.fmで振られた経済評論家の池田信夫氏のブログのエントリーを見たら、まるで中西準子氏の「環境リスク学」の中にそうあるように、「リスク=ハザード×頻度」と書いてあった。氏の他のエントリーでは、「リスク=ハザード×確率」とも書いてある。違和感がとてもあったので、中西氏の著書のP.144を確認してみたら、私が見る限り「リスク=ハザード×摂取量」と書いてあった。
人の健康への危険度、つまりリスクはその物質の毒性の強さと摂取量とで決まるから、強いハザードでも摂取量が小さければリスクは小さくなる。
中西氏は同書で「その物質の毒性の強さ」をハザードと説明している。言わずもがなだが、頻度と確率と摂取量は異なる概念だ*1。放射線の話がするのであれば摂取量と書いておいて何も問題がないのに、どうしてこう言う取り違いが起こるのか。リスクが発がん率のような確率で表される事もあるわけで、違和感を感じないのが不思議でならない。
瑣末的な部分に思えるかも知れないが、摂取量と書くことで、同じ日本人でも摂取量に偏りがあるのでは無いか、摂取量をコントロールすることが大事なのでは無いかと言う発想が出てくる。2007年11月に「「相関」というのは、45度線になったときが最も高く」、2014年2月に「期待値を確率変数で割ったら確率になるんだよ」と言い出し、妙な弁解をしても訂正はしない人なので、確率・統計に疎いのは分かるのだが、引用している本に書いてある単語ぐらいは注意してみて欲しい。
*1頻度と確率の違いが分かりづらいかも知れないが、頻度は全体のうち何回起きたかを表し(e.g. 100回中13回)、(統計的)確率は頻度を全体で割ったもの(e.g. 0.13)となる。
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