2014年4月18日金曜日

ジェット・エンジンに使われている技術

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小学生向けの図鑑本が大好きなので、ふと目に付いた『ジェット・エンジンの仕組み』と言う本を手にとって見た。ぱらぱらぱらと読んでみて、ちょいガチ感が溢れていて、正直ちょっと後悔した。ジェット・エンジンの原理を説明しているのでは無く、むしろジェット・エンジンの設計や製造に使われている要素技術を説明している本で、あとがきによると触れることができなかった事項も多いようなのだが、かなり広範な話題が詰め込まれている。

読んでいるうちに見失いそうになるのだが、各章の視点はしっかりしている。第1章はジェット・エンジンの黎明期の歴史が綴られており、その中でジェット・エンジンの大まかな構造と原理を知る事ができる。正確に言えば、大まかな構造と原理を把握するまで読み進められない。第2章と第3章は設計の話で、第2章ではジェット・エンジンの熱サイクルが、第3章ではエンジンの主要構成要素と空気と燃料の流体の動きが説明される。第4章は製造技術の話で、信頼性を確保するために部品製造技術や試験方法が工夫されていることと、開発プロセスが説明される。第5章では簡単に代替燃料や騒音対策、ラムジェット・エンジンなどの将来技術について述べられ、第6章でジェット・エンジン産業における日本の立ち位置が紹介されている。

説明に必要なので仕方が無いのだが、テクニカル・タームと天下り的な図表によって読んでいるときの見通しは悪い。工学に弱い人は「エンジンのABC」でも読んでウォーミング・アップをしておいた方が良いかも知れない。しかし、一般書なので書いてあるのは概略に過ぎないわけだが、単に推力を発生する装置を造るのに色々と考えなければいけない事があることは感じられる。セラミックが使われていると言う知識と、クリープ寿命の延命のために対酸化皮膜の上にレーザーでセラミックを蒸着していると言う知識はやはり違うわけで、要素技術を俯瞰するにはこれぐらいの深入りは必須なのであろう。そして多少は細部に踏み込んだほうが、技術話は面白いものだ。クリープと聞いて、森永乳業の製品ではなく、持続応力の作用による物体の歪みを連想する人は、本書を楽しく読めると思う。

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