2011年12月17日土曜日

献血が無くなる日

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2008年8月にAdvanced Cell TechnologyがES細胞から大量の赤血球を生成するのに成功していた(AFP)が、その後も順調に研究開発が進んでいるようだ。

2011年12月にも、中村壮iPS細胞研究所特定研究員(臨床応用研究部門)・江藤浩之同教授(同研究部門)・東京大学幹細胞治療研究センターの共同研究で、ヒトiPS細胞から大量に血小板を作製する方法が開発されたと公表された(京都大学)。

臨床実験も行われており、ピエール・マリー・キュリー大学のLuc Douay氏は、造血幹細胞を被験者から取り出し、赤血球を培養して、被験者の体内に戻す実験を行っている。5日経過では94~100%、26日経過で41~63%の培養赤血球が体内に残っており、これは体内で生成された赤血球と変わらないそうだ(POPSCI)。

この他にもDAPRAは人工血液製造機の開発を行っており、既にFDAにへその緒から血液を製造するArteriocyte社製の機械の認可を求めているようだ(POPSCI)。血液の品質保持期限は短く、戦場で大量に負傷兵に供給するには、献血では間に合わないそうだ。

日本も高齢化に伴い献血量が減少しており、需給が逼迫している。技術進歩で非開腹手術が普及し、また輸血必要量の予測が適正化されたため、血液自体の需要は低下しているが、供給量の低下を十分に補えるかは厳しい状況のようだ(減る献血、ピークの半分-四国新聞社)。足が早いため在庫調整も難しい(日本赤十字社 九州ブロック赤十字血液センター - 献血者減少時期)。

技術的目処も立っているし需要も強いため、近い将来に人工血液が普及するのは確実のようだ。薬害エイズ事件のような悲劇のリスクも低下するであろうし、倫理的な反対者も多くはいないであろう。若者は思い出作りのために、今のうちに献血に勤しむ方が良いのかも知れない。冬季は血液が不足しがちらしいので、きっと赤十字血液センターも歓迎してくれるはずだ。

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