G20サミットがトロントで行われて、「先進国は2013年までに財政赤字を半減させ、2016年までに債務の増加を止める」という財政健全化で合意がなされた。その是非はともかくとして、最近はつき物の暴動が活発に行われているようだ。反グローバル化も訴えていて、皮肉なことにその暴れっぷりが、グローバル化の象徴であるインターネットを通じて伝わってきたので見てみよう。
暴動の経緯は次の通り。デモには学生や市民団体など約1万人が参加し、貧困撲滅や環境問題の解決、政府への反対意見など様々なスローガンを連呼しながら市内を練り歩いたそうだ。ここまでは良いのだが、このうち黒装束をまとった若者集団が過激化し、高層ビルが立ち並ぶ金融街で警官隊と小競り合いになったらしく、店舗や警察車両も燃やされたようだ(日経新聞)。
最初は座り込みなどを行っていて、警察に強制排除を食らったらしい。
しかし気づくと、黒ずくめの集団が店舗を破壊したり、警察車両を落書きしたり燃やしたりしている。最初から暴動を起こすつもりで、映像に映っても問題の無い衣装を準備していたとしか思えない。動画はPeaceful Protectと書いてあるが、かなり暴力的な抗議活動だ。
実際のところ、貿易依存率などの統計情報を見てしまうと、第二次世界以前のほうが経済連携の意味での「グローバル化」が進んでいたと言われる。情報のグローバル化には、抗議活動を行っている人々も対応しているらしいので何に反対しているのかが良くわからないのだが、暴れたいだけなのだろう。
しかしサミットも旧態依然としていて、だんだんと形骸化してきたのは強く感じるイベントになった。参加する国と地域の代表が増えたのもそうなのだが、このグローバル化された時代に、わざわざ集まって話をする必要があるのであろうか。サミットに参加することが政治家としてのステータスだから、実利面はともかく、形式的に行っておきたいのかも知れない。
もともとサミットは経済的問題を解決するために、緊急で先進国の首脳だけで会議したのが始まりなのだ。こういう目的で話をしたいならテレビ会議システムがあれば十分で、日程面からも、警備の面からも、そちらのほうが有利であろう。もちろん付随する晩餐会などが行えなくなるが、いまどき各国首脳が晩餐会で仲良くなることで、何か大きく政治的に変化するとも思えない。政治家は年配の人が多いので頭が回らないのかも知れないが、世銀やIMFも頻繁に使っているわけで、誰か提案をしてやれば良いと思う。
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