2020年4月5日日曜日

ニューヨーク州の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)基本再生産数R₀を推定してみたら、やはり破滅的だった

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リクエストがあったので、ニューヨーク州(半分以上は市)のデータから、東京都の推定などに使ったのと同じ推定モデル、同じパラメーター暗数7割と回復率γを仮定して*1、(a)3月1日から4月4日までの1ヶ月ちょっと、(b)3月1日からの1週間、(c)4月4日までの1週間の3種類のR₀の推定と、最後の(c)のR₀(に従うβ)をパラメーターにとる4/4からのSIRモデルによる予測を描いてみた。

まずは、(a)3月1日から4月4日までの1ヶ月ちょっとだが、指数分布に従わないプロットになっている事が分かる。初期の急増に対して慌て、次々にうった感染防止策がある程度機能していることを意味する。なお、感染から発症までが5日間、重症化するまで7日間と言われるので、横軸の日付の12日ぐらい前の状況を見ている。

次に、初期の(b)3月1日からの1週間を見てみよう。R₀=11.8となっており、まさに爆発的増加があったことが分かる。普段の感染予防策の不足、初期対応の遅れが致命的であった。なお、この時期はとくに検査体制の不備の影響を受けている可能性があり、それでR₀が高めの可能性もある。初期対応の不味さと言う意味では変わらないが。

最後に、(c)4月4日までの1週間の3種類と、そのR₀(に従うβ)をパラメーターにとる4/4からのSIRモデルによる予測を見てみよう。R₀=2.4とロックダウンの効果は認められるが、状況は東京都と大差ない。このまま行くと、6月24日にピークを向かえるが、それまで医療機関の状況はどんどん悪化していくことになる。

報道どおり日本よりも圧倒的なペースで感染が広まったが、徐々に感染防止策が機能しだし、ロックダウン後の一週間は直近の東京(R₀=2.8)よりもマシなことが分かるが、SIRモデルにあてはめて考えると、ピーク時は州民の23%が同時に罹患し、最終的には州民の9割が感染を経験するので、十分低いR₀ではない。

州知事などがもっと強力な施策をうつか、この計算がおかしいかで、この破滅的な予測が外れることを祈りたい(´・ω・`)ショボーン

追記(2020/04/06 21:35):ニューヨーク市で働いている医師へのインタビューで、病室のベッドの数を倍にした、酸素吸入器を同時に複数人で使いまわしていると言う話があり、重症化しても混雑を嫌って病院にかからない人や、通院前に死亡する人が増加することなどにより、ここ一週間の死者や感染者数は過小になっている可能性がある事に注意したい。つまり、改善したかのように見えるR₀は、見かけ上に過ぎない可能性がある。

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