2018年2月11日日曜日

頭が悪い人のための-1×-1=1の証明

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-1と-1を乗じると1になる理由が分からないと言うのは、小中学生がよく抱く疑問だそうだ。これに対してマイナス方向に向いている人が逆方向に向く、もしくは180度回ると、プラス方向に向くというような説明がよくされている*1。しかし、良く考えるとこの説明は良くない。方向と回転の二つの概念の導入が要るからだ。

虚数平面を導入すれば、そんなに不自然な感じはしないと思うかも知れない。虚数平面の単位円上の点で方向もしくは角度を表すと定義できるからだ。0が0度、iが90度、-1が180度、-iが270度と言うような対応になる。回転も自然に乗算で定義できる。90度を向いた状態から180度回るときは、i×-1=-iと言う計算になる。ちゃんと270度になった。しかし、虚数平面のこの演算、あらゆる角度で成立する事を示すには、指数や三角関数も要るので仕掛けが大きい。

頭の悪い人にはなかなか堪えるので、分配法則を使った方が簡素でよい。マイナスの数を、同じ絶対値の正の数に加えるとゼロになる数と定義したところから始める。定義により1は他のどの数字にかけても、他の数字をそのままにする単位元。1 + (-1) = 0、両辺に-1をかけて、-1 + (-1)(-1) = 0、左辺第1項を右辺に移動して、(-1)(-1) = 1でよい*2。一行で済む。なぜ無理に例え話を使おうとするのであろうか。

無駄に説明用の構築物を大きくして、数学アレルギーを増やさないでください(;´Д`)ハァハァ

*1たまたま以下のツイートが流れてきたのだが、検索すると同様の説明が多い。

*2なぜ-1と-1をかけると+1になるのか [物理のかぎしっぽ]

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