2017年2月28日火曜日

フィリップスカーブは成り立つとは限りません

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広く知られる雇用/経済成長率とインフレ率のトレードオフの関係だが、不適切なマクロ金融政策であっさり壊れることが知られている(Lucas Islands Model)。また、そこそこ適切なマクロ金融政策をとっていても、観察されなくなる事もある。少なくとも、イギリスのデータを見ても成り立っている気配は無い。2011年にVAT税率引き上げがあるとは言え、トレードオフの関係は見られない。

日本はコアコアCPIを使えば2010年以降は観察できなくもない*1。英国も同じような品目でつくれば見られるのかなと思うのだが、英国官庁の配布データは2307列もあって、年次、四半期、月次が同じ列に並べておいてある上に、ウェイトが書いていないので諦めた。

学説史的には重要なのだが、観察されたりされなかったりする関係なので、これを前提にした政策はちょっと無理がある。なお、英国の大学で、コレを見せつつマクロ経済学か労働経済学を講義するというちょっとした罰ゲームを味わった人もいるそうだ。学部生に教えられるモデルで、これを上手く説明できるものは無いであろう。

4 コメント:

shirou9237 さんのコメント...

通りすがりですが、日本はフィリップス曲線がフラット化しつつも相関が認められる国なのだから

>これを前提にした政策はちょっと無理がある

というのは乱暴じゃないでしょうか、否定する結論ありきに見えます。日本では成立してて残念でしたねと皮肉を言いたくなる。

日銀でもフィリップス曲線に関する解説があり、その認識が示されています。

>米国でははっきりとした関係は観察できないのに対して、
>日本では明確な右下がりの関係が観察でき、この点で両国は対照的である
etc...

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/lab/lab14j02.htm/

ときどきリフレ派を称する人で年代の区別ないグラフを素朴に出してきてしまう人は、さすがに70年代の経済環境と一緒に論じれないだろう、と批判の対象だとは思いますが。

bk さんのコメント...

https://krugman.blogs.nytimes.com/2012/04/08/unemployment-and-inflation/?_r=0

クルーグマンが典型的なフィリップス曲線の意味するところを表した関係図として挙げているアメリカの失業率とインフレのグラフとそっくり。

uncorrelated さんのコメント...

>> bk さん
ありがとうございます。当てはまりは謎ですが、インフレが収まるのに失業率の増加が必要だと説明していますね。(そのうち上がるよとは書いてあるとは言え)失業率が下がるのに、インフレ上昇は要らないのかって感じですが。

uncorrelated さんのコメント...

>> shirou9237 さん
拡張的財政政策をすると成り立たなくなることが知られていたりして、アテにはできない法則だと言う事です。因果関係が逆と言うことなのでしょうね。

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