2015年2月8日日曜日

疑似科学ニュースの雇用に関する認知的不協和をつついてみる(4)

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先日から続いているやり取りで、だんだんと「疑似科学ニュース」ブログ主のメカAG氏が錯乱してきたようだ。就業者数の計量分析とは関係ない一昨年のLNTモデルの話を持ち出してきたのだが、当時指摘されていた問題点に未だ気づいておらず、錯乱しているように思える。もともとのLNTモデルに関するやり取りで、何を指摘されていたのかさっぱり理解していないようなので、いかにメカAG氏が論理的に破綻した主張を続けているか、なるべく端的に指摘したい。

1. メカAG氏はDDREF無しLNTモデルが科学的と主張

昔から、メカAG氏はLNTモデルが科学的に最も有力だと主張していた。「科学的な正当性のあるモデルは一直線のモデル」、「モデルの完成度としてはDDREFよりもLNTモデルの方が高い」、『「LNTモデル」と言った場合、これ(LNTモデルとDDREFの組み合わせ)を指すことはない』ととも言っている。なお「LNTモデルの否定=閾値説」とも言っていた。

2. メカAG氏はICRPの採用モデルを理由に正当性を主張

メカAG氏はLNTモデルが有力な根拠として「LNT説(LNTモデル)というのは・・・ICRPを含めてもっとも支持されている学説」と主張していた。「ICRPもLNTモデルを正統なモデルとしている」と明言している。そして、「LNTモデルよりも精度が高く、LNTモデルと同程度の完成度を持つモデルができているなら、そちらを採用する」とも言っている。

他にも理由は添えられていたが、「そもそも俺は専門家ではないから、俺自身が直接個々の論文を正しく評価できるとも思えない」と言っているので、ICRPが何を採用しているかが最も強い根拠となっている。ここが崩れると、メカAG氏の議論は全て崩れると言っていいであろう。

3. ICRPはDDREF有りLNTモデルを採用している

メカAG氏も引用しているICRP Publication 99の前文の一節を引用しよう。ICRPがDDREF有りLNTモデルを採用していることが分かる。念のために言及するが、防護モデルは一つしかない。これはメカAG氏の意味でLNTモデルでは無い。

The LNT hypothesis, combined with an uncertain DDREF for extrapolation from high doses, remains a prudent basis for radiation protection at low doses and low dose rates.(拙訳:高線量域からの外挿のための不確定なDDREFを組み合わせたLNT仮説が、低線量・低線量率における放射線防護のための堅実な基礎を残す)

メカAG氏は「防護モデルと科学モデルを区別する意味があるとは俺には思えない」と言っているので、メカAG氏の判断基準ではICRPは科学モデルとしてDDREF有りLNTモデルを採用したことになる。メカAG氏の意味でLNTモデルでは無いモデルが採用されているのだが、メカAG氏の「LNTモデルが科学的に最も有力」と言う主張は崩れないのであろうか? ─ もちろん、崩れる。

4. メカAG氏の議論は少なくとも一つの訂正が必要

メカAG氏の議論は論理的整合性を欠き、つまり支離滅裂なのだが、面白いことに本人は問題に気づいていないようだ。ICRPはメカAG氏の意味でのLNTモデルを採用していないのだから、以下の三つの主張のうち一つは撤回を行なう必要がある。

  1. LNTモデルが、科学的に最も有力
  2. ICRPは、科学モデルと防護モデルを区別していない
  3. DDREF有りLNTモデルは、LNTモデルでは無い

2年経ってもこの問題に気づいてないと言うのが面白いが、ICRPが防護モデルにDDREFを採用していると言う現実を受け入れられないのであろう。要するに認知的不協和を起こしているわけだが、メカAG氏は現実の世界に戻ってこられるのであろうか?

追記(2015/02/08 17:51):どうもメカAG氏は、脳内ですり替えを発生させてしまうようだ。ICRPの一つしかない放射線防護モデルにDDREFが採用されていると言う指摘に、「ICRPの一連の報告書というのは、さまざまな研究者の多くの知見が紹介されている」と、防護モデルと関係の無い話をはじめた。ICRP勧告に色々な知見が紹介されていることが、ICRPの防護モデルがDDREF有りの一種類しかないことは変わらない。

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