2014年4月18日金曜日

ブレインストーミングは役立たず

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パリ国立高等鉱業学校のAkin Kazakci博士と他3名の研究者が比較実験を行い、ブレインストーミングで様々な角度から多くのアイデアを出すことは、アイデアの質を高めないと指摘している(Mail Online)。アイディアの量が質に転換するという、ブレインストーミングのキャッチコピーは間違いだったようだ。この結果は来月のDesign Computing and Cognitionカンファレンスで報告されるそうだが、雲を掴むようなアイディアを並び立てる上司にぜひ教えてやりたい結果となっている。

実験は30名の被験者に行われた。被験者は研究開発分野で平均12年の経験を持つ設計技師と工業デザイナーで構成されており、それぞれ3名づつ10グループに分かれて南極を体感できる移動ができて環境にやさしい博物館のデザインを行うと言う曖昧な課題が与えられた。そして、90分間の時間でデザインをA3の用紙に書き出し、研究者にプレゼンテーションを行った。最後に、実験の目的を知らされていない博物館の専門家とプロジェクト・マネージャーによる14名の委員会が、それぞれのグループのデザインの新規性、実現可能性、価値について採点を行った。

それぞれのグループのブレインストーミングは録音されており、そこで出てきたアイディアの数はカウントされているので、それぞれのグループのアイディアの数と点数の関係を見ることができる。研究チームが発見したのは、最も多くのアイディアを出したグループは最終デザインに難航し、アイディアの数が少ないグループは高得点を得たと言う事だ。平均82のアイディアが出たが、もっとも高得点のグループはちょうど60のアイディアしか出ていなかった。アイディアの数が多いほど、アイディアの質が高くなると言うのは間違いと言う事になる。

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