2010年7月18日日曜日

衛星写真で見た環境破壊

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大規模な環境破壊が発生していると言われても、あまりに範囲が広大だと直感的に問題を理解するのが難しいときがある。しかし、以前から衛星写真が頻繁に取られるようになっており、広い範囲に渡る環境破壊を視覚的に捉えるのが容易になっている。右の写真はNASAで撮影された、中国からの汚染物質が東へ流れ出る様子だが、大気の流れが一目瞭然となっている。Uphaa.comearthzineに、このような衛星写真でみた環境破壊の時系列の変化があがっていたのでまとめてみた。

1. アラル海の消滅

もはや大規模開発による失敗事例の代表例としてあげられるアラル海だが、もともと遠浅で水量が多くあるわけでもないのに、ソ連時代に周辺地域の開発を強引に進めた結果、消滅の危機に瀕している。2000年の時点でも、緑色の湖の部分はかつての面積より大きく縮小し南北に分断されているのが分かるが、2008年までに急激に縮小していったのが分かる。

2. チャド湖の消滅

チャド湖に関してUNEPは以前から問題を喚起していたようだが、最近になってニュースで面積が1/5になったと報道されている。衛星写真を見ると1987年あたりには、既に致命的な問題になっていたのが分かる。2007年の写真は、微妙に状況が改善したようだが、周辺環境に何かあったのであろうか?

3. イグアスの滝周辺の開発

アルゼンチン・ブラジル国境にあるイグアスの滝は、環境破壊が懸念されて危機遺産として登録されていた場所だ。現在は保護対策が取られて世界遺産に登録され、観光客が多く訪れる場所になっている。衛星写真で見ると1973年~2000年までは活発に周辺が開発されているが、2000年と2007年の状態は大きく変化していない。

4. アマゾンの森林破壊

貧困層が焼畑農業などで勝手に開墾してしまうため、アマゾン川周辺の熱帯雨林は年間1万~2万5000平方Kmのペースで縮小しているとされる。森林開発跡に格子状に黄色い線が広がっているが、これは道であり、魚の骨のように見えるためフィッシュボーンと呼ばれている。「森林破壊 アマゾンの場合」に航空写真もあげられているので、対比してみると地上の状況が衛星でどう見えるかが良くわかるであろう。

5. 諫早湾干拓事業による、水門の閉門による変化

大規模な環境破壊は日本にも存在する。諫早湾干拓による影響について、市民団体と市長との間の意見の対立が続いているが、諫早湾の水門が環境に大きな影響があったのは確かのようだ。RESTECの公開している衛星画像からは、諫早湾の水門の周辺の変化が良くわかる。水門の内側は当然のこと、水門の外側にも変化が見られる。ノリを始めとする漁獲高の減少など水産業振興の大きな妨げになっていると、公共事業の失敗例として捉えている人は多い。

まとめ

実際のところ衛星写真だけでは何が起きているのかは分からないので、環境破壊の分析には専門的な知識とフィールドワークが必要だ。しかし、一般市民の声が大きくならないと、環境対策に予算や人的リソースがつぎ込めない時代でもあるので、衛星写真のような分かりやすい資料は重宝する。NASA等から流れてくる、こういった環境破壊を示す衛星写真は、内部の人からのメッセージだ。話題にあがったときぐらいはそれをチェックし、写真の裏側にある主張を受け止めたい。

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