2023年7月17日月曜日

ウクライナの反転攻勢が失敗しそうな件

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ウクライナがロシアに反転攻勢をかけているが、このままいくと失敗しそうなぐらい前進ペースが遅くなっている。

地雷原で敵軍の足を止め、榴弾砲、対戦車ミサイル、自爆ドローンなどで仕留めるロシア軍の防御陣地が有効に機能していて、ウクライナ軍新設の機甲部隊でも突破を試みると被害が投入兵力の2割と大きかったため、ウクライナ軍は榴弾砲やロケット砲などでロシア軍を摩滅しつつ*1、歩兵主体で前進する方向に切り替えた*2。これで被害は半減したが、前進速度はさらに低下した。これまで南部での前進が見られているが、100Kmは前進しないといけないが、これまで8Kmしか進めていない。

ウクライナ軍は、多方面から圧力をかけつつロシア軍の分散を図り、ロシア軍の補給線を切れる部分を集中突破する作戦だったと思われるが、衛星からの観測では、ウクライナ軍が僅かづつ前進を続けている南部のロシア軍は5万人と薄い。モスクワ方面からの重要な補給線が通っているドンバス地方に17万人が配置されている。5万人と薄いが、ウクライナ軍の前進を概ね止めている。新設機械化旅団12個のうち9個を温存しているようだが、どうも投入までこぎつけそうにない。

ウクライナ軍は当面、形成が大きく変化するほど占領地を奪回するのは無理そうだ。このまま圧力をかけ続けていたら、ロシア軍が損害に耐えかねてぷっつん切れて撤退する可能性もあるが、ウクライナ軍の方も攻めているわけで損害もこれまでより大きい。攻めきれなければ、兵力を損耗したところに、反撃を受けうる。幸い、車輛の損害ほどは人的損失は大きくない。秋以降に戦闘機の供与や砲弾の増産、対地雷兵器の提供などが予定されており、反撃のための戦力が増強される。作戦を頓挫させるのも、一つの有力な選択肢だ。

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