2022年3月3日木曜日

ロシアのウクライナ侵攻後のSNS検閲・キャンセルカルチャー・ロシア人排斥・文化排撃

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ロシアのウクライナ侵攻後、政府から民間までロシア排除の動きが広まっている。

まず目立つのが、SNSの検閲行為だ。Google、TikTok、Facebook、Microsoftがロシアの政府系メディア「ロシア・トゥデイ」「スプートニク」の利用を制限したり、サービスから締め出した*1。Censorship of Googleと呼ばれるモノ。ロシアからのオモシロ主張を広めないのが目的かと思われる。

次に、キャンセルカルチャーと呼べる行為が見られた。ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団は、ロシアのプーチン大統領と親しい指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏を解雇した。国際柔道連盟はプーチン名誉会長の資格を停止した。蝋人形館からプーチン大統領の人形を撤去した*2のはキャンセルカルチャーではないが、実行者の気持ちとしては同様であろう。追記(2022/03/25 17:49):ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコ氏もメトロポリタン・オペラの公演を降板させられた(CNN)。

また、国籍差別も堂々と行われている。ロシア人排斥運動。選手やクラブに非は無いのだが、国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)はそれぞれの主催大会にロシア代表と同国クラブチームの出場を停止すると表明した。ロシアと欧州の行き来が困難になった国際オリンピック委員会(IOC)も国際大会からロシアを除外するように勧告した。組織的ドーピングが発覚してもそんな勧告はしなかったのに*3。カンヌ国際映画祭、欧州映画アカデミー(EFA)も、ロシア映画を排除した*4

ロシア文学やテトリスを禁止するような文化排撃はまだ聞かないが*5、文化に近いところでウォッカのボイコット運動がある。意外にロシア製は出回っていないので、関係の無い国に打撃が行くが*6。なお、ロシア製のゲームが買えなくなったのは金融規制が理由であり、文化排撃ではない。

ロシア国民に世界がウクライナ侵攻を強く非難していることは伝わるかも知れないが、言論や思想の自由を侵害しているし、だからと言って英米欧の親ロシア派を減らしたり、経済制裁以上にロシア政府に考えを変えさす効果も無いと思うが、不徳な集団と認定したら制裁を加えたくなるヒトに備わった傾向性のなす所業か。

なお、ウクライナがロシアに全土で勝って失地回復する可能性は低く、問題解決まで長丁場になる蓋然性が高い。気持ちが持たず、何年か経ったらすっかり忘れて迎合的になりそうな気もするが。

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