@ITに『「次に来る」プログラミング言語を占ってみる』と言うタイトルで、オングス代表取締役の後藤大地氏が最近のプログラミング言語事情を解説しているのだが、どうもしっくり来ない。そこに“新しい言語”が無いからだ。Java、C、C#、Perl、PHP、Python、Ruby、JavaScript、Objective-Cは既に利用者も利用目的も浸透している。
一般的ではない言語としては、Luaに言及されていたが、速いだけでは中々と利用用途は広がらない。Rは随分前から徐々に統計解析パッケージとして利用を拡大しているが、用途は固定化している。ハーバード大学の確率・統計の授業でも、最後のLecture 34の発展コースの紹介で、Rを強く勧めていたので、より一般化している感じはあるが(関連記事:動画で見るハーバード大学の統計学の授業)。「次に来る」と言った息吹きを感じる状態ではない。
実務で使われるかは疑問だが、潜在的な力があるのはC++11とGoであろう。C++11はC++の新規格で、従来のC++でサポートされて来なかった正規表現やマルチスレッドなどの、最近の言語では一般的なライブラリが標準的にサポートされる他、ラムダ関数、型推論などの文法上の拡張も行われる。GoはGoogleで開発されている新しい言語で、オブジェクト指向やガーベッジコレクターなどの最近の言語としての特色に加え、並列コンピューティングに適した文法を持つ。この他にも教育用言語Scratchが意外に普及するかも知れない。
ただしC++11やGoが一般に期待されているとは言えない。「2012年に開発者が学ぶべき10のスキル」を見ても、プログラミング言語でPython、Ruby、JavaScriptだ。スクリプト言語の利用方法が深化しているにしろ、随分と保守的な印象は拭えない。似たようなプログラミング言語を覚えて行くのは教育投資としては効率性が悪いわけで悪い事とは言えないが、ここ10年間で最も活気の無い一年になりそうだ。
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