従来の軍用防弾服は何重ものケプラー繊維とセラミックで出来ていたが、10Kgと重くかさばるために戦場で邪魔になって問題になっていた。ベトナムやアフガニスタンのような高温になる地域では、内部の温度が50℃にまで上昇する。
英国の国防関連会社BAEシステムが開発中の新型アーマーは、ケプラー繊維の間に特殊な液体を挟むことにより、厚さを減らす事に成功しているそうだ。この液体は、銃弾による衝撃を受けると瞬間的に凝固し、かつ衝撃を広範囲に広げる(Mail Online)。
以下の写真は、新型の10層の液体を挟んだケプラー繊維(上段)と、従来型の31層の通常のケプラー繊維(下段)に銃弾をあてたものだが、新型の方が変形が少なくなっている。
BAEではAK47突撃銃に耐えられる製品を開発中で、従来型防弾服の半分の重量を目指している。被弾時の衝撃も和らぐことから、戦場での兵士の損耗が少なくなると期待されている。また、軍用だけではなく、警察や消防で使える製品も視野に入れているそうだ。
英国では、この他にも兵士間の通信システムや持ち運び型の酸素生成器などの新型装備が、防衛企業センター(CDE)の出資で開発されており、科学技術の軍事転用が進んでいる。以前にも、CDEが出資した企業が開発した、爆破処理用のロボットハンドが報道されたことがある(AFP)。
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