先月に、AT&TのiPhoneの販売数が、Verizon Wirelessのスマートフォン全体の販売数よりも多いと主張したAsymco社のブログが話題になっていたのだが、その主張を否定するグラフが公表されたので紹介したい。「AndroidはiPhoneではなく、RIM BlackBerryを傷つけている」というBusiness Insiderの記事中のグラフだ。
以下が、その記事中のcomScoreの契約者数の三ヶ月移動平均のグラフなのだが、iPhoneの利用者が多いのが目に付くと思う。
しかしグラフを良く見ると、2009年11月~2010年11月では、
- Android@Verizonは、約700万契約増加
- BlackBerry@Verizonは、約100万契約増加
- iPhone@AT&Tは、約600万契約増加
- Android@AT&Tは、約100万契約増加
という事が分かる。販売数は、契約者数の増加とほぼ傾向が一致する。さらに、2010年11月ではAndroid端末の契約者の合計は、iPhone契約者よりも数が多い(なお、comScoreの以前のデータから考えると、ここでのiPhoneはiOS端末で、iPadやiPodも含む)。
Verizon版iPhoneの発売によるスマートフォン市場への影響を占う材料があるのでまとめると、以下のようになるであろう。
- 2009年末に900万台のリードがあったiPhoneだが、2010年末にAndroidに追いつかれた。
- VerizonはAndroidにより、スマートフォン契約をAT&Tよりも増加させている。
- AT&t;Tでは、Android端末の6倍のペースでiPhoneが売れている。
- 2010年第3四半期以降は、RIM BlackBerryの凋落傾向が強い。
Asymco社の推定は否定されたが、AT&Tでの経験からVerizonでもiPhoneが売れると考えるのが自然だ。ただし、AT&TがAndroid端末のラインナップはやや弱く、Verizonには人気のシリーズがある。また、Android 2.2以降で完成度が高くなり、次々に新製品がリリースされるAndroid端末の競争力も侮れない。Verizon版iPhone 4に関しては、機能上の問題から購入を勧めないレポートもある。
3 コメント:
からみついてすみません。
>2. VerizonはAndroidにより、スマートフォン契約をAT&Tよりも増加させている。
この表にはBlackBerry@AT&Tが抜けてますね。これを含めると、どうなるのでしょう?
RIMの決算資料によると、2009年12月から2010年の11月にtotal Subsが3,600万から5,500万と1,900万増えています。 @Verizonが100万増なら残り1,800万あるわけで、@AT&TもVerizonと同じ程度には増えていると考える方が妥当かと。
>Verizon版iPhone 4に関しては、機能上の問題から購入を勧めないレポートもある。
TechCrunch日本語版の記事は誤訳やら数字の誤植やらが多いので、あまり信用しないほうがよろしいかと思います。
また、ここで挙げられている否定的な点については、CDMA版のスマホ全てに当てはまりますね。
アンテナ問題については、切り込みが二箇所増えてます。 一箇所はシステム的にアンテナがもう一つ必要なので当然として、後の一つは何らかの対策がされていると想像するほうが妥当かと思います。
海外で使えないと言うのもVerizonの全ての端末に当てはまる事です。 又、AT&Tの機種は海外で使えると言っても、SIMロックフリーではないので、現地のprepaid SIMは使えないし、International Roaming chargeは定額がなくバカ高い(US$24.99/20MB, US$199/200MBとか)ので、heavyに使えばパケ死は必至で、全く現実的ではありません。 そもそも、海外に頻繁に出るアメリカ人は3%もいないという推計もありますしね。
>>kizaさん
コメントありがとうございます。
>この表にはBlackBerry@AT&Tが抜けてますね。これを含めると、どうなるのでしょう?
別記事によると、AT&TのBlackBerry契約者数は20%程度にしか過ぎないので、45%を占めるVerizonほど増加に寄与しているとは考えづらいです。
> TechCrunch日本語版の・・・挙げられている否定的な点については、CDMA版のスマホ全てに当てはまりますね。
Verizon版iPhoneの成功を懐疑する見方もあると言うことで言及しました。
TechCrunchの指摘が全て的を得ているとは言えませんが、アンテナ問題に関してはAppleやVerizonから対策を行った旨の発表がない以上、実際に発売されてレポートが出てくるまで不透明だという結論は妥当なものだと思います。
何はともあれ、AT&Tの経験からすると、Verizon版iPhoneも成功は強く期待されますね。Androidをどこまで切り崩せるかは注目だと思います。
ご説明ありがとうございました。
今回の決算発表ではsurpriseが色々ありましたが、一番はiPhone関連の売上がNokiaのDevice & Serviceの売上を抜いたっぽいことでしょうか。
決算期が違いますので、単純な比較は出来ませんが、Nokiaの2010年7-10月期のそれはUS$9.5Bでしたので、今回のAppleのUS$10.5Bで間違いなく抜いたと思います。) 初代iPhone発売から3年半でNokiaをまくってしまうとは、いやはや言葉もありませんね。
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