米国で以前は豊富に見られた4種類のマルハナバチの数が減少し、生息数が96%減少し、生息域も23~87%縮小したと、イリノイ大学のSydney Cameron教授らのProceedings Of The National Academy Of Sciences誌に掲載された研究で指摘され注目を集めている。(Mail Online)。
教授らは、欧州やアジアでマルハナバチの減少の報告があるが、北米では調査がなかったため、40州382地点の3年間の研究と73,000以上の博物館の記録を調査を行い、上述の減少傾向を確認した。また、遺伝子検査では近親交配が進んでおり、Nosema bombiと呼ばれる寄生虫も関連しているそうだ。
マルハナバチは聞きなれない人もいるかも知れないが、ミツバチと同じように密や花粉を集めるハチで、天然で最も重要な花粉の媒介者として知られる。欧州から東アジアまで約250種類が存在し、低温で活動できることからツンドラ、エレベストにも生息している。くまのプーさんの蜂蜜に群がるハチが、マルハナバチだ。イギリスの小学生が授業でマルハナバチの研究を行い、その研究成果が学術雑誌Biology Letters誌に掲載されたニュースを覚えている人も多いと思う。
米国の50種類のマルハナバチは、トマト、ブルーベリー、クランベリーなどの高アルピン野菜の受粉に大きな役割を果たしている。受粉自体は他の種類の昆虫で代替できるが、マルハナバチの減少によって農家が影響を受ける可能性もあるそうだ。
日本だと外来種のセイヨウマルハナバチが野生化して問題になっているのだが、世界的にはミツバチだけではなく、マルハナバチにも危機が迫っているらしい。暑いのに弱いらしいので、素人考えでは温暖化の影響を受けていたりするのではないかと思うが、原因については、今後、調査が進むと思われる。
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