2018年2月6日火曜日

賄賂は経済の潤滑油…でもなかった

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日本史で「白川の清きに魚のすみかねてもとの濁りの田沼こひしき」と言う狂歌を習うせいか、経済が活性化のためには賄賂ぐらい許容した方が良いと思っている人は少なくないのだが、真面目に調べてみたらやはり無いほうがよかったと言う研究が紹介されていた。腐敗を撲滅すると特に中小企業が仕事をしやすくなるそうだ*1

ブラジルの汚職防止目的の業務監査の対象自治体がランダムに行われてきた事を利用して、自治体別の監査前後のパフォーマンスを固定効果モデルで推定したところ、監査が入った後の方が政府依存率の高い産業部門で改善が認められ、地場中小企業への融資量が増えたそうだ。汚職が経済成長の阻害になる事はよく言われているが、マイクロレベルのデータで計量的に示しているものは少ない。手作業で膨大な監査データセット作ったのは偉いですね賞。

中国やベトナムを見ると汚職は経済成長の阻害効果は限定的に見えるし、インドネシアでは汚職を厳しく取り締まりすぎると政情不安になるので良く無いという話もある*2が、そうは言っても減らした方がよさそうだ。

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