2014年9月7日日曜日

従軍慰安婦問題が大きくなった原因として過剰評価される朝日新聞

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従軍慰安婦問題で朝日新聞の責任を問う声が大きい*1。産経新聞などは鬼の首をとったかのように連日、批判的な記事を書いている。朝日新聞が信憑性の無い吉田清治氏の証言を広く報道したのは、報道機関の姿勢としては確かに問題がある。しかし、その後の韓国人や韓国政府の言動まで朝日新聞が責を負うべきかと言うと、そういう事は無いであろう。吉田証言や千田夏光氏の著作は朝日新聞の報道に関係なく知られていたし、韓国の左翼活動家は日本の植民地政策を糾弾する材料に飢えていたからだ。朝日新聞が報じなくても、韓国左翼は従軍慰安婦問題に勘付いた。

1. 70年代から90年代の真偽を気にしない左翼活動

広く知られていない気がするのだが、日本では70年代から徐々に在日韓国・朝鮮人を歴史的な被害者として認識しようとする動きが広まった。それまでは在日韓国・朝鮮人は、どちらかと言えば騒動などを起こす危険分子として認識されていたのだが、日本の植民地政策の被害者としてイメージに摩り替わった*2。しかし、この被害者イメージには史実による裏づけが無いことが多い*3。従軍慰安婦問題も70年代に千田夏光氏の著作で始まっており、史実による裏づけは薄い議論が多く展開されている*4。韓国の方は1987年に民主化が宣言され、政治活動が活発になったのは90年代になるが、日本と同様に朝鮮人の被害者性を求め強調することに注力しており、事実関係は重視されていない。

2. 産米増殖計画や旭日旗への誤解は朝日新聞に関係なく発生

つまり日韓の左翼活動家は、その信憑性に関わらず日本の植民地政策を糾弾する材料に飢えており、朝日新聞が報道しようがしまいが、吉田清治氏や千田夏光氏の話に飛びついたのは間違い無い。たまたま韓国左翼の足かせが取れたのが90年代であるため、朝日新聞の報道が大きなインパクトを持ったように思えるが、時期が重なったに過ぎない。産米増殖計画で日本が米を収奪したと言う誤解や、旭日旗がナチスのハーケンクロイツと同様に特定思想に結びついていると言う誤解は朝日新聞とは関係なく発生している*5。朝日新聞の影響は大勢に影響を与えていない。

3. 慰安婦問題が大きくなったのは、韓国政府の失敗が理由

報道機関としての倫理的問題は、朝日新聞は負わないといけない。怒りを隠さない人が多々いるが、朝日新聞珊瑚記事捏造事件と同じかそれ以上、信頼を損なった。しかし、慰安婦問題が大きくなったのは、韓国政府が韓国の左翼活動家を押さえ込むことに失敗し、河野談話とアジア女性基金を受け入れることが出来なかったためだ。これは韓国政府の内政能力と、それを信じた日本政府の両方に問題があるのだが、ともかく朝日新聞は関係ない。慰安婦問題が大きくなった原因として朝日新聞を責め立てるのは、朝日新聞の過剰評価のように思える。そんなに影響力があるわけではない。

*1菅官房長官「朝日報道が影響」 慰安婦の国連報告書」「朝日報道後に米国でも火が付いた慰安婦問題

*2詳しくは「在日・強制連行の神話」を参照。

*3例えば在日韓国・朝鮮人の大多数が強制連行されてきたかのような言説があげられる。実態を見ると、韓国で強制連行と見なされている徴用でやってきた66万人の大半は帰国し、日本に残ったのは245人にしか過ぎないことが確認されている。

*4詳しくは「慰安婦と戦場の性」を参照。

*5右上の画像の通り、朝日新聞の社章は旭日旗である。

*6最近の河野談話の検証で明らかになったところを見ると、河野談話とアジア女性基金は日韓が外交的に交渉を積み重ねた合意された結果であるが、韓国側は国内事情で受け入れることができなくなった事が分かる。

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