2013年2月11日月曜日

国家社会主義者・安倍総理の賃上げ要請

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安倍総理が2月12日に経団連など経済団体幹部に賃金引上げを要請する見込みで、国家社会主義者ぶりを発揮している。しかし、これは経済対策ではない*1。選挙対策の一つであろう。本気だったら主張がちぐはぐ過ぎる。

賃金水準と失業率はトレードオフの関係にあると考えられており、期待インフレ率が高まり実質賃金が下がれば失業率が下がると考えられている*2。しかし、アベノミクスで期待インフレ率が上昇しても、名目賃金を引き上げたら失業率が改善しない。

マクロ経済は雇用を含めて2010年から回復基調にある*3。景気回復で労働時間が延びれば、公表されている統計上の賃金は増加するので、企業経営者が安倍総理の要請に積極的に応じなくても、安倍総理が何かしたように見える。

賃金も含めて「価格」を直接上げたり下げたりしようとするのは国家社会主義者の方法で、戦時中に満州でそれを行っていた岸伸介を彷彿とさせる。独占/寡占市場であれば価格統制も正当化されるかも知れないが、企業は無数にあるわけで、労働市場はある程度は競争的だ。

*1安倍総理のブレインとして知られる浜田宏一イェール大学名誉教授も、「名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです」と言っている(ダイヤモンド・オンライン)。

*2黒田・山本(2003)ではシミュレーションにより日本経済のインフレ率と失業率の関係を分析しており、インフレ率2.4%以下では失業率が引き上がる事を指摘している。

*3図録▽失業率の推移(日本と主要国)

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