2011年8月31日水曜日

リフレ政策が不可能な単純な理由

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

リフレ政策主張者がまだまだ存在する事を以前のエントリーで示してきたが、リフレ政策自体に言及してみたい。リフレ政策は実行可能性に疑問がある。

リフレ政策では期待インフレ率を上げるために、通貨膨張政策を行う事になる。つまり日銀が日銀券を大量に刷ることで、長期的に何%かの緩やかなインフレが発生する事を市場全体に信じさせる政策だ。この期待インフレ率の操作が難しい。

1. デフレ脱却には期待インフレ率の操作が必要

来年にはインフレ率が高くなると言われて、それをそのまま信じる人はいない。通貨供給を多少増やしてもそれは同じであろう。この「コミットメントに裏付けをあたえるために」リフレ政策を行う事に対し、岩本康志氏は「そのような目的を果たす効果は期待できない」と否定的だ。確かに並大抵の通貨供給量の増加では将来のインフレを予想できないし、将来は通貨供給量が減るかも知れない。どうやって市場を信じさせれば良いのであろうか?

2. ヒャッハー!デフレは消毒だ~っ!

簡単な方法がある。日銀総裁が良識を無くせばいい。日銀総裁が「ヒャッハー!デフレは消毒だ~っ!」「市場操作で消えるデフレは普通のデフレだ!日銀引受で消えるデフレは根の深いデフレだ!」と、積極的に投資信託や不動産投信などの危険資産を購入すれば、大抵の市場参加者はインフレを覚悟せざるをえなくなる。同時に与野党とも日銀の独立性を保障すれば、インフレ期待は跳ね上がるであろう。

3. 永続的な量的緩和を信じさせる

市場参加者は中央銀行は良識的な行動しか行わないと信じている。中央銀行にもバランスシートはあるので、外貨や危険資産を購入しすぎると破綻する可能性があるからだ。そのうち破綻を恐れて量的緩和をやめると思われたらリフレ政策は失敗する。ゆえに「ヒャッハー!」は何より重要だ。

破綻ギリギリまで日銀券を刷りまくる強い意志を示せなければ、期待インフレ率は変化せず、流動性の罠からは脱出できない。またデフレも困るがインフレも困るなんて良識的な事を言えば、永続的な量的緩和を期待できなくなるので、リフレ政策は機能しない。

4. 人間性に疑問がある人物を日銀総裁に据えられるか?

白川総裁が「ヒャッハー!!!」と言っているのは想像がつかないので、まずはもっと世間に不安を与える人間を日銀総裁につける必要があるであろう。しかし誰が似合うか、誰が市場に不安を与えるかの言及は避けるが、「ヒャッハー!!!」が似合う人物は幸いにも国会で承認されない。

5. 期待インフレ率は経済理論と経済政策の狭間

経済理論にある期待インフレ率は、その形成過程が曖昧で、実際の経済政策で操作するのは難しい。量的緩和だけでは期待インフレ率を操作できるのかが疑わしく、リフレ政策は機能するように思えない。

理論的には機能するはずだが、経済政策としてリフレを採用し難い理由はこの点に尽きると思う。採用するのであれば、如何なる手段を併用してでも期待インフレ率を上げないといけない。しかし、輪転機の上に乗って「ヒャッハー!デフレは消毒だ~っ!」と叫ぶ日銀総裁を、多くの人が受け入れられるかは疑問だ。

2 コメント:

HeroineFactory Candy さんのコメント...

黒田総裁と安倍総理の金融政策変更宣言で、期待インフレ率が動いてますよね。

uncorrelated さんのコメント...

> HeroineFactory Candy さん

2011年8月31日のエントリーにコメントどうも。

期待インフレ率が上昇しはじめたのは2012年4月ぐらいからで、黒田総裁誕生どころか、安倍氏の自民党総裁就任前からだったりします。

http://www.anlyznews.com/2013/02/2012.html

コメントを投稿