FRBのバーナンキ議長が目標インフレ率の導入を宣言した。中長期の政策目標をクリアにする事で、家計や企業の抱える不確実性を減らすと同時に、政策効果を高める事が目的だそうだ。インフレでもデフレでも困るので2%ぐらいを目標にし、毎年1月に再検討を行うそうだ(Ustream)。なおCPIではなく、食品とエネルギー価格を除外したPCEで評価する(Reuters、Bloomberg)。
FRBには物価の安定と雇用の最大化の二つの目標がある。いかし今回のFOMCの記者会見では、雇用の最大化は、金融政策以外の経済構造に依存する部分が多いため、目標を求めないと説明されている。つまり、実質的にFRBはインフレ目標を中心に政策立案を行う事が明確化されたと言える。
ECBも一応、目標インフレ水準を2%と置いている。解釈にもよるが、FRBがインフレ・ターゲティング採用国となったのは、マクロ金融政策としては大きな転換点となるのかも知れない。もちろん、日本銀行が追随する可能性も高まった。
ただし2011年はEUは2.6%、米国は3%のCPI上昇率となっており、少なくとも日本基準ではデフレーションの状態とは言えない(Reuters)。もし追随するとしても、明確なデフレ環境下でインタゲを宣言するのは日銀が初のケースになるようだ。
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