地球温暖化ガス、特に二酸化炭素(CO2)の排出抑制は頭の痛い問題である。火力発電所や自動車からだけではなく呼吸をしても排出される気体で人間活動に不可欠で、さらに回収するのが困難だからだ。しかし、Alain Goeppert、G. K. Surya Prakash、そして1994年のノーベル化学賞受賞者George A. Olahらの研究チームが、ポリエチレンイミンをベースにした新素材でこのCO2を掴まえる事に成功した(ScienceDaily、写真はbLavishより)。
新技術の特色は、材料が廉価ですぐに利用できる事に加えて、従来素材と異なり湿度が高い環境でも機能する事だ。捕獲されたCO2は、他の物質に簡単に転用する事で永久に環境から分離する事ができるとされている。火力発電所の煙突に設置する事で、CO2の排出量の大幅削減が可能かも知れない(関連記事:火力発電所の煙突が高いのには理由がある)。研究の詳細は、Journal of the American Chemical Society誌に掲載されている。
ただし、これでCO2を排出する化石燃料が使い放題になるわけではない。エネルギー資源の価格は高騰しており、2001年と比較すると2011年は原油で3.5倍、LNGで2倍、石炭で4倍となっている(関連記事:選択肢の残されていないエネルギー戦略)。
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