2021年7月4日日曜日

医療や介護の従事者に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン接種を原則強制するのは、ハラスメントとは言えませんよ

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メディアが医療や介護の従事者や医学/看護学生が新型コロナウイルスのワクチン接種を陰に陽に強制されていることを、ワクチンハラスメントと言い出した。日弁連の人権擁護委員会が大元のようで*1頭が痛いのだが、感染予防策をとっても感染可能性が高かったり、周囲に感染に脆弱な人々がいる環境で働いたり学んでいる人々に、広く利用されているワクチン接種を強制しても違法性は恐らく無いし、社会厚生の改善にもなるから。

医療や介護の現場だと、従事者と患者/要介護者と社会的距離をとるのにも限界があるし、物事にはミスがつきものなので、従事者から患者/要介護者へ、患者/要介護者から従事者への感染リスクは高い。医療や介護の安全性向上のために、そして医療や介護の従事者の健康を守るために、ワクチン接種は必要だ。

実際、イタリアでは医療従事者が感染経路になったため、都市ロックダウン後も4週間もSARS-CoV-2の感染拡大が続いたとされるし、医療従事者の死亡も世界中で見られて来た。新型コロナウイルス感染症の拡大に警鐘を鳴らしていた中国湖北省武漢の医師・李文亮氏は34歳で自身も感染して亡くなっている。また、通院や入院をしている既往症がある人々、介護を受けている高齢の人々はCOVID-19にとくに脆弱で、病院や老人ホームでの集団感染が大きな問題となっている。

今までも、麻疹・風疹・水痘・ムンプス(おたくふ風邪)のワクチン接種は強制されていたはずだし、それにSARS-CoV-2が追加されただけで、ワクチン接種の考え方が変わったわけではない。新型コロナウイルス・ワクチンの副反応と思われる症状については様々なものが報道されているが、既に億単位に達している接種人数からすると重篤な副反応が発生する確率はとても小さい。

従業員と顧客の健康管理に責任を負う医療や介護の現場責任者(と雇用主)の立場から考えると、むしろワクチン接種を強制しないほうが安全管理の不作為と言うことになる*2。もちろん配置転換などでワクチン未接種者を患者/要介護者に接しないようにすることも検討すべきだが、医療や介護の従事者でそれは困難だ。

ワクチン薬害問題の余波で1990年代からワクチン接種の自己決定が尊重される風潮があるのだが、ワクチン接種には外部性が生じるわけで、立場と場所によってはワクチン忌避者に「好きにしろ」と言うのは社会厚生の悪化につながる。副反応に対する補償制度などを充実させるのはありだと思うが、自己決定の問題として簡単にワクチン忌避を容認するのは問題だ。

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