2020年11月26日木曜日

儲け方をレクチャーできるほど、メディア事業の経営についての知見がジェンダー社会学者に無いことぐらいは自覚して欲しい

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何かを有害だから規制しろと主張すれば、どういう観点からそれが有害だと言えるのか質問されるのは異常ではないし、規制の主張者は有害性を示すことができるはずなのだが、表現規制派フェミニストの皆様は質問に直接答えず、国際的に認められないという議論を展開する事がある。ジェンダー社会学者の高橋幸氏も同様の議論を展開しだした*1

とくに、萌え絵広告表現という問題は、ジャパニメーションを国策としている日本として、一度まじめに考える必要のある問題だと、思われます。世界において「ペドフィリアの文化ではないか疑惑」を受けがちなオタクカルチャーを売り出して市場拡大させていこうとするときに、オタクや萌えは「女性差別表現ではなく、ポルノでもなく、ペドフィリアでもない」ということをユニバーサルに伝えることができるような表現コードの開発は、重要問題です。経産省が音頭を取り、内閣府男女共同参画局と共同して、審議会や委員会を設け、ジェンダー学者とか表象関連の学者とか、マンガ家とか、法律の専門家とかを集めて、やっていただけるといいのではないかと思ったりしました。

萌え文化やオタク文化はペドフェリアだと疑いがかけられているので、マンガやアニメやゲームの海外展開するのに表現を制限する必要があると言うことのようだ。そこまでの日本広告審査機構(JARO)と英国広告基準協議会(ASA)の話とペドフェリア文化の関係が分からない文章だし、JAROは景品表示法や医薬品医療機器等法などに抵触しないと苦情があっても受け付けない*2事が理解されていないのはスルーするとしても、儲け方をレクチャーできるほど、メディア事業の経営についての知見がジェンダー社会学者に無いことぐらいは自覚して欲しい。

オタク文化や萌え文化も色々あるので、すべてペドフェリア文化と理解されているとは思えないし、仮にオタク文化や萌え文化がペドフェリア文化と見られているとしても、オタクや萌えは東アジアをはじめとして世界市場に広くで受け入れられているので商売的には無問題と言える。仮に欧州でも女性表現にとくに厳しいイギリス*3がオタク文化や萌え文化を拒絶したとしても、東アジアの方が圧倒的に市場規模は大きいわけで、商売を理由に表現規制を正当化することは無理。日本でもここ何十年かゆっくりとアニメやゲームを起源とする女性表現が社会に浸透してきたのは、お金が動くからでして。なお、先進国には大概年齢制限のレイティングもあるし、アニメやゲームは展開先の国の事情にあわせてローカライズする事もできるので、海外展開したければクリエイターやメディア企業が勝手に何とかすると言うか、今までしてきた。

商売を理由に表現規制を推進していいのか? — 問題もあることに注意して欲しい。ディストピア社会を描いているのがケシカランと思ったのか、今や最大のコンテンツ消費国の中国はアニメ『PSYCHO-PASS』を排除したのだが、高橋幸氏は体制賛美する作品のみの世の中にしたいのであろうか。メディアに興味があるのであれば、ハリウッドの映画製作会社は、中国共産党に配慮して自主規制を行っていると、非難されている。

*1【#シンこれフェミ 3-1】ASAに見る、広告における性別ステレオタイプ表象の自主規制 - ポストフェミニズムに関するブログ

*2JARO審査基準を見ると、要望(レベル2)が法律に抵触の疑い、警告(レベル3)が法律に抵触となっている。助言(レベル1)は「消費者の誤解を招く、または社会的・道義的問題等を有す」となっており法令との関係が明確ではないが、全体としては法令違反になる可能性でレベル付けされている。

*3関連記事:海外の女性キャラクターの露出度規制論争

なお、高橋幸氏の論考では性犯罪などは基準に取られていないが、欧州でも性暴力の認知件数が頭抜けて多く、暗数推定値で補正しても日本の数倍は性的暴行事件の多い上に、女子高生へのセクハラや満員電車での痴漢もやはり発生している国イギリスを見習え的な議論は、反感を受けやすい。

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