2018年10月31日水曜日

夫から殴られても暴力を受けたと認知しない妻の割合

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一昨日のエントリーで、怒鳴ったり、ちゃぶ台を返したりするのではなく、夫に殴られた事を暴力だと認識できない妻は日本にはいないのでは無いかと書いたら、申告数の何倍もの数がいると言うかのような反応が返ってきたので、実際にどれぐらいいるかを確認してみた*1。いないと言うのは大袈裟だったが、申告数の1割弱~4割弱ぐらいに留まるようだ。欧州の方が日本よりも殴られた事を暴力と認識する程度が高い余地は多くない*2

オタクの皆さんにも、公共空間はどうあるべきかを考えて欲しい

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ちょっと無理のある萌え絵批判が編集者の岩渕潤子氏からされている。その主張の問題点はネット界隈のオタクの皆さんが指摘していて概ね正論なのだが、岩渕氏の主張を上手く拾えていない気がする。萌え絵を見るとイタリアでのキャットコールを思い出すと言う話や、萌え絵の女性の身体特徴は整形手術を行なう風俗嬢と同じく客に媚びていると言う話*1に、思いやりの原理を過剰に働かせて、岩渕氏の萌え絵批判の論点を整理してみたい。

プログラマも、そうでない人も、手にとってみて欲しい「白と黒のとびら」

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ここ十年間ぐらいで数学ラノベ的な本は何十冊も出ているのだが、小説としてのクオリティを持ちつつストーリーの鍵に数学を取り込めたものは殆ど無い。登場人物間の会話のコンテクストとしてのみ数学が使われているライトノベル、説明される数学の内容と乖離したストーリーが他作品の雑な模倣に思える人物設定で展開される学習ガイドと、人気作品でも求める水準とは言えない。

2018年10月29日月曜日

美少女セクサロイドは規制されるべきなのか?

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未成年者が性行為を行なうアニメを保持していたおっさんが逮捕され*1、ラブドールを輸入した校長先生が逮捕される*2何か小うるさい社会の割には、欧州でも性暴力の認知件数が頭抜けて多く*3、暗数推定値で補正しても日本の数倍は性的暴行事件の多い上に、女子高生へのセクハラ*4や満員電車での痴漢*5もやはり発生している国イギリスの公共放送BBCの記者が、子どもサイズのラブドールを製造している日本の工場を取材して涙を流したと話題になっている*6

日本では女性への暴力は少ないと言う調査結果に困惑するフェミニスト

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ask.fmで紹介されて拝読したのだが、大阪府立大学人間社会学研究科で学位を取得したフェミニストの小松原織香氏(font-da氏)が、「女性に対する暴力被害は、EUと比較すると、少ない。暴力の形態に限らず,EUのほぼ半分である」と言う龍谷大学の津島教授と浜井教授の調査結果*2に困惑をして難癖をつけていた*3。フェミニスト vs 犯罪社会学と言うのが興味深いが、それはさておき難癖になっていることを言及しておきたい。

2018年10月27日土曜日

ポストモダン思想の流れを汲むジェンダー社会学者の弁は詭弁だらけ

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社会学者の小宮友根氏は朝日新聞記者の丹治吉順氏に延々と、過去にジェンダー・ステレオタイプだと問題にされた広告と、NHK NEWS WEB上のページ「まるわかりノーベル賞2018」におけるキズナアイの利用の類似性を主張し、最後は面倒になったらしい丹治氏がそういう事は論文を書いて学会で報告しろと言い出して終わりになる言い合いがあった*1。よくあるSNSの光景なのだが、小宮友根氏の主張は詭弁なので指摘しておきたい。

2018年10月26日金曜日

女子の理工系進学は、必ずしも彼女の利益に叶うわけではない

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理工系に分類される学問に興味があって進学したい女の子を止めるべき理由はほとんど無い*1のだが、どっちでも良いな~と思っている人をナッジして理工系に放り込むのは止めた方がよいかも知れない。講義や実験がきつい、そして私学ならば学費も高めと言うデメリットがあるのだが、それらに見合う対価が得られない可能性がある。

2018年10月24日水曜日

個人の経験に頼ってマンガやアニメやゲームを語ると抜けが出る

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サブカルチャーなど気軽に語ればよいと思うが、身近に接することができるものだけにアタリマエのことが見逃されがちのようだ。

昨日もポストモダン擁護者の一八世紀科学技術史研究者が、新世紀エヴァンゲリオン(1995年~)までは少女キャラは戦いでは役立たないヘタレだった論*1、米オルタナ右翼がジャパニメーション好きで、それに影響されて日本人女性好きである論*2を展開していた。

2018年10月23日火曜日

ジェンダー論をやっている社会学者にも「マンガ 化学式に強くなる」を読んで欲しい

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そして発狂して欲しい。

ある秀逸なエントリー*1を眺めて興味をもって「マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー」読んだのだが、面白かったので紹介したい。日本のポピュラーサイエンスの雄、講談社ブルーバックスの一冊なので同人本ではない。中学生向きなのだが、オトナにも3つの意味で懐かしいと思う。

2018年10月22日月曜日

オカルト化する日本の教育—江戸しぐさと親学にひそむナショナリズム

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オカルト化する日本の教育」は、江戸しぐさと親学の発生から普及の経緯、関係者のモチベーションを整理し、教育現場にに浸透した理由を考察した本だ。

江戸しぐさの部分は著者・原田実氏の前著*1のおさらい感があるが、江戸しぐさと親学の関係や、これらを普及促進しようとしている集団についての説明がある。TOSS/日本会議/「生長の家」系の右派社会運動家といかにもと言う名称が並んでいた。

2018年10月20日土曜日

最高裁「裁判官は担当外の裁判であっても安易にケチをつけるな」

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Twitterでの発言に関して分限裁判にかけられていた白ブリーフこと岡口基一裁判官への処分が確定した。SNSでよく発信している弁護士は概ね岡口氏の支持者であり最高裁の判決を非難しているようだが、全員一致の最高裁判決なので無碍にはできない。法曹界の究極のお偉いさんの思考形態を検証する価値はあるはずだ。岡口氏自身が分限裁判の決定理由の書面をアップロードしているので、素人ながら中身を確認してみたい。

2018年10月19日金曜日

きちんとした批判をするための『哲学思考トレーニング』

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ネット界隈で調子にのって誰か/何かを非難したら、炎上案件になってしまうことは多い。褒める事をよしとし、貶す事を避けるべき*1なのだが、それでも何か言いたいときはあるものだ。炎上リスクとネガティブ自己表現のトレードオフとも言えるが、批判の仕方が分かっていれば炎上リスクをかなり抑制できる。伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』を読んで、きちんとした批判の仕方を学習しておこう。

2018年10月18日木曜日

藤原興「低賃金カルテル」説の弱いところ

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ネット界隈で「低賃金カルテル」なる言葉を見かけるようになって久しい。運動家の藤原興氏によるとついったーらんどで出来た造語だそうで、氏はその存在を確信をもって主張している。この藤原興流の低賃金カルテル説が、どの程度強固な主張なのかを考察してみた。結果、学者の説ではないので脇が甘いのは仕方が無いが、経験的にも理論的にも説得力は低いように思える。

2018年10月16日火曜日

野党がなぜ軽減税率の不合理を騒がないのかというと

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作家で投資家のやまもといちろう氏が「野党はなぜ消費税増税や軽減税率の不合理を騒がないのだろう」と書いているのだが、民主党政権時代に増税は決めていて消費税増税を不合理とは言えず、2015年の世論調査だが有権者の7割以上が軽減税率に賛成*1で、声高に*2反対を主張すると野党支持率の低下が予想されるから、答えは自明のように思える。

2018年10月15日月曜日

千田有紀さん、社会学の会話分析の知見からも、女性の相槌はジェンダーロールとは言えないのでは?

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炎上時に焦って弁解をすると、おかしい言説を重ねてしまうときがある。先週の社会学者・千田有紀氏の炎上記事の追記を見たところ、社会学の会話分析の研究を示唆しつつ『(相槌)は、従来「女性」に与えられてきた役割』と主張しているのだが、一般に観察される現象からも、(よく知らないのでこちらは誤解な気もするが)社会学の会話分析の知見からも、何かおかしい事になっている。しかも、会話分析と言う専門性の高い分析結果に言及しているのに、参照した文献すら挙げられていない。

ポンタくんたちを効率賃金仮説で説明すると

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ネット界隈はやりがい搾取に敏感だ。先日も無償労働を美徳とする道徳の教科書がケシカランと言うツイートが流れていた。しかし、そこでは狸のポンタくんたちがタダでも働かせて欲しいと懇願しているのだが、ポンタくんたちが被害者とは限らない気がしてならない。

経済学にはシャピロ・スティグリッツ・モデル*1と言う有名なモデルがあって、賃金をゼロに置いたときに何がおきうるかと言うのを教えてくれる。そこでの状況を考えると、むしろ経営者の方に危機が迫っているようにしか思えない。

2018年10月14日日曜日

社会運動家「みんな労組に加入して賃上げ要求しろ」「富裕層にはもっと課税しろ」

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社会運動家/聖学院大学人間福祉学部客員准教授の藤田孝典氏が、なぜか株式会社ZOZOの社長と従業員を狙い撃ちにして富裕層への課税強化と労働組合への加入と労使交渉を呼びかけ、批判を受けている*1

論点が見えづらいのだが、マルクス経済学用語とちょっと下衆なデモ隊ノリのスローガンに違和感があり、株式シェア3%以上保有する創業者などが受ける配当に対する課税は総合課税になるためZOZOの社長はかなりの実効税率で納税している*2ので、豪遊していることは非難には当たらないと言うところであろうか。

2018年10月13日土曜日

海外の女性キャラクターの露出度規制論争

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キズナアイ騒動に関連して、海外では女性キャラクターの乳房の線を描いたら年齢制限のレイティングが上がる*1と言う話をデザイナーの森次慶子氏が言い出し、案の定、反例を投げつけられて炎上していた*2。映画「ロジャー・ラビット」のジェシカ・ラビットあたりは、所謂えろい格好のおねーさんを絵にしているが、確認する限り映画はR指定はされていなかった。

2018年10月10日水曜日

沖縄の歴史や社会を調べずにイデオロギー的歴史観を振り回している社会学者の卵

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社会学者の卵の古谷有希子氏が、ここ二ヶ月ぐらい沖縄の歴史や社会を調べずにイデオロギー的歴史観を振り回している*1のだが、なかなか酷いことになっている。沖縄は植民地だが、沖縄の人々はそれが認識できていないと高らかに宣言している。普通の定義では植民地とは言え無いし、これは他人をバカだと愚弄している。

2018年10月9日火曜日

ノーベル賞受賞経済学者曰く、政治は景気循環をもたらす

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2018年のノーベル経済学賞もしくはスウェーデン銀行協会賞は、マクロ経済学者のローマーとノードハウスに与えられた。内生的成長理論のローマーの方が経済学徒には有名かなとは思うものの、気候変動や炭素税と言うトピックからノードハウスの方が分野外では有名かも知れない。

ジェンダー論をやっている社会学者は“被害者”

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社会学者の千田有紀氏の何度目かの炎上騒動の最中なのだが、「市民的公共性」と言う単語を濫用して突っ込みを受ける*1ばかりではなく、自分は権威なのだから素人は学識を疑うなと言う姿勢の過去の発言が槍玉にあがっている*2

今回の事例だけではなく、他分野から見て根拠をよくつけられていない主張を社会学者がすることは多く、社会学と言う学問への疑問が渦巻く自体になっている。しかし、千田有紀氏の議論に関しては、社会学と言うよりはジェンダー論に内在した問題に思える。

2018年10月5日金曜日

炎上しているのはキズナアイでは無くフェミニスト主張の根拠の無さ

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社会学者の千田有紀氏が、キズナアイ騒動での自己の見解を補足するエントリーをあげて、さらに批判を受けている。

ポエム調のゆるふわ作文で主張をとりづらいのだが、前のエントリーとあわせて考えると「メディアにおける女性の役割が、女子に既存の性的役割分担を認識させ、その進路に影響する」と主張しており、女の子キャラのキズナアイが「聞き手」を担当したのが理系忌避をもたらすと考えているようだ*1。この千田有紀仮説は成立しているのであろうか?

2018年10月4日木曜日

バーチャルYouTuberキズナアイは煽情的で、公共に相応しくない造形なのか?

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弁護士の太田啓子氏がバーチャルYouTuber*1キズナアイのイラストを指して「女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写されアイキャッチの具にされる」と非難しだした。女性を抽象化したキャラクターなので、女性の特徴を備えた絵になっているのは間違いないのだが、それが何か問題なのかが良く分からない*2

2018年10月3日水曜日

教科書に書いてあることを簡単に信じないのは研究者養成コース

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2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した京大の本庶佑特別教授がインタビューで、研究にあたって心がけていることは「(論文とか書いてあることを)簡単に信じない」、研究者の道に進む夢を見る子どもたちに伝えたいことは、「教科書に書いてあることを(簡単に)信じないこと」と答えて*1、疑似科学界隈を活発化させるのではないかと言う危惧を呼んでいる。「一般向けになされたという意味では失言…きちんと弁解していただきたい」と発言全体を読まずに非難している社会学者まで現れている。

2018年10月2日火曜日

旭日旗から分かる韓国社会の悪癖

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韓国では旭日旗は侵略者たる大日本帝国軍を象徴した旗で、そのために敗戦後は使用が禁止されていた*1と思い込む人々が増えているのか、近年、旭日旗を掲げることや、旭日旗に似た模様の利用を非難する動きが目だつようになってきた。

韓国政府はこの“歴史認識”に同調はして来なかったのだが、韓国海軍が世論から非難を受けないように配慮しはじめた。“国民情緒法”に負けつつあるようだ。