『「科学至上主義」のみなさんは、どうしてEM菌がそんなに嫌いなんですかね?』と言う釣り針の大きなエントリーが上がっていることに、今頃気づいた。
科学クラスターは言葉足りずところがあって、偽科学の有害性について明確に説明しないからこういうエントリーが出てくるのだと思うが、EM菌の普及促進活動を否定すべき理由は思いつくだけでも4つある。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
『「科学至上主義」のみなさんは、どうしてEM菌がそんなに嫌いなんですかね?』と言う釣り針の大きなエントリーが上がっていることに、今頃気づいた。
科学クラスターは言葉足りずところがあって、偽科学の有害性について明確に説明しないからこういうエントリーが出てくるのだと思うが、EM菌の普及促進活動を否定すべき理由は思いつくだけでも4つある。
“安倍政権について批判的な態度をとる保守層の受け皿”に需要は無かった。個人投資家・作家の山本一郎氏が『前原誠司さんの果敢なチャレンジと、その失敗の代償としての「希望の党支持率0.4%」と』と言うエントリーであれこれ議論しているのだが、なかなかこの単純な事実を認めたがらないのが興味深い。希望の党の他にも、日本維新の会などが保守政党になるのだろうが、結局、大きな支持は得られていない。少なくとも、野党の政権批判のための宿命的な空回りを上回る需要はなかった。
誤差項が正規分布していなくても最小二乗法(OLS)は使えると言う趣旨のツイートにいろいろとコメントがついていた。経済学徒であればコア科目で必ず習う話なのだが、教科書的なことを確認しておきたい。結論は誤差項は正規分布していなくても良いし、実用上はほとんど気にしなくて良い。ただし、中心極限定理が使えない誤差項だと、t検定やF検定ができなくなるので困る事になるのは心に留めておこう。
生後360ヶ月だが職場の空気を読むのが苦手だと言う声が聞こえてきそうだが、最近の研究では生後3、4ヶ月の乳児にも抽象化されたルールを読み取る能力が備わっていることが示されているそうだ。従来研究では聴覚を通じたものしか示されていなかったが、PLOS One誌に掲載されたノースウェスタン大学のチームの研究で、視覚を通じた学習能力もある事が示された*1。これでアイドルと親類者が同じ女性だと思えないなどと言うと、乳児未満の学習能力にされてしまう。
気づくと絵文字(emoji)が英語に定着しているこの頃だが、あるべき絵文字の形状については論争がつきない。最近になってハンバーガーのチーズの位置、ビールの泡の位置など、ネットで誤りが話題になって絵文字のデザインが修正される事象が起きているが、今はユニコード・コンソーシアムのロブスターの足の数が議論になっている(POPSCI)。
喫煙者は子どもがいても容赦なく喫煙をして、煙を子どもに吹きかけているものなのだが、ファミレスは子連れ客に「喫煙席ですか?禁煙席ですか?」と聞かずに、禁煙席に案内すべきだと言うツイートが話題になっていた*1。何となくファミレス店員の接客態度を非難したように読めてしまう*2のだが、「店舗は子連れ客は喫煙席に案内すべきではない」と言う主張ととると、そんなに変な話ではない。
農産物や乳製品は、貿易摩擦など政治にまつわる逸話が多い。フランス原産のチーズ、ミモレットもそうで、ルイ14世が重商主義政策をとり、高関税がかかったオランダのエダムチーズの代替として生産されるようになったのが由来とされる。こんなミモレットがオレンジ色の由来をPOPSCIで紹介していた。
ちょっと前に『採用選考に「AI」を導入しようとしたが、断念した会社の話が面白かった。』と言うエントリーが話題になっていた。ブログ主は医者であってエンジニア等ではないから仕方が無いのだが、ちょっと誤解があると言うか、人工知能に採用判断を、少なくとも一任すべきでは無い真の理由が見落とされていた。それは、人工知能が「なぜこの人を選んだのか。なぜこの人を選ばなかったのか」を説明できないからではない。
ウガンダで、職業訓練と徒弟制度(と言うか未経験採用)を比較して、職業訓練の方が就業機会や収入で評価してパフォーマンスがよく、費用対効果を考えても有利であったと言う研究が紹介されていた*1。職業訓練と徒弟制度はそれぞれ%ポイントで、就業率が21と14、収入が34と20の向上となっている。どちらも改善が観測されているが、職業訓練の方が良い。
1日45時間の残業時間が含まれていると非難されている厚生労働省の労働時間調査だが、単に誤記入などが含まれるだけではなく、裁量労働制の労働者の数字は平均労働時間*1である一方、そうではない労働者のは最長労働時間に準じる数値*2である事が判明した*3。
加熱式たばこを含む電子たばこ(vapour)によるエアロゾル、言わば間接喫煙に関する関するサーベイ論文*1が紹介されていた。無害とは言えないような論調なのだが、そのエアロゾル暴露リスクは、従来式の燃焼たばこによる副流煙の健康被害に比べて小さいとある。サーベイ論文の参照先の論文を見ていくと、エアロゾル内の有害物質の量は、大雑把に10分の1と段違いに小さい。
人工知能がもたらす技術的特異点は雲を掴むような話だが、産業革命以後、連綿と続いている生産ラインの資本使用的技術進歩の影響は、労働者の差し迫った脅威になるかも知れない。具体的には、縫製自動機の技術進歩が目立っており、南アジアを中心とした開発途上国の縫製業に必要な労働者の数が減っていくのではないかと危惧されている*1。
試験の時期には奇問・難問がSNSに投稿される。一昨日は早稲田大学の入試問題で、じゃんけんの選択肢グー、チョキ、パーに、キューという選択肢も加えた新しいゲームを提案し、そのゲームの魅力や難点といった特性を説明せよと言う論述問題が出たのが注目されていた。採点基準は分からないが、難しい気がする。分析に用いる均衡概念を明示するように付け加えれば、大学のゲーム理論のレポートに丁度よさそうである。解答例を考えてみた*1。
なぜか日本に北朝鮮工作員が実在する根拠として、タブロイド誌の北朝鮮が潜伏中の工作員向けに乱数放送を再開したと言う記事*1にリンクを貼ってしまい、ネット界隈でバカにされている国際政治学者の三浦瑠麗氏だが、北朝鮮工作員の存在が露呈したと言う新聞記事は多々あるし、昔の警察白書をひっくり返しても記述がある。
国際政治学者の三浦瑠麗氏が、テレビ番組で日本の大都市近郊に北朝鮮の工作員が潜んでいると言ったので盛り上がっている*1。少なくとも昨年の11月24日には同様の主張している*2ので通常運行の三浦氏だと思うのだが、遅れて生じる批判と言うのもあるだろう。それはよいと思うのだが、炎上する方向性がよろしくない。テロリストがいると言う指摘だけでは虐殺は起きない*3し、北朝鮮工作員のテロ活動は危惧されて対策は取られている*4。ただ、スリーパー・セルと言う存在を無理に強調しているのが奇妙だ。
-1と-1を乗じると1になる理由が分からないと言うのは、小中学生がよく抱く疑問だそうだ。これに対してマイナス方向に向いている人が逆方向に向く、もしくは180度回ると、プラス方向に向くというような説明がよくされている*1。しかし、良く考えるとこの説明は良くない。方向と回転の二つの概念の導入が要るからだ。
当たり前に聞こえることでも、個別企業の事例ではなく産業全体の話になると、経験的に示されていないこともある。輸出企業は、高品質の製品を作り、新しい技術に投資をし、高い賃金を払い、さらに労働環境の改善に取り組む傾向が知られているが、その理由は理論的には色々と言えるものの、経験的には良くわかっていなかった。そこで、非EUのデータを使って計量分析にかけてみたところ、輸出先の品質要求が厳しい説が支持されると言う話が紹介されていた*1。
米国史上最大の暴動*1を描いていると言う触れ込みの映画「デトロイト」は、国内の社会学者や政治学者の映画評論では概ね好評であるが、社会学者の卵の古谷有希子氏が黒人差別を助長すると貶している*2。残念ながら、話の要点が掴めない。白人視点と言われても、それの何が問題か分かる人は少数なのでは無いであろうか。それどころか、HUFFPOSTのリーマン大学Mary Phillips助教の説明*3を読むと、古谷氏の説明は映画と同じ意味で黒人差別を助長する書き方になっている。
NHKの『2月4日は「風疹の日」 ワクチン接種を』と言うニュースで、中高年の男性を中心に、風疹に感染したことがはっきりしなかったり、接種した記録がなかったりしたら、ワクチンを接種するように示唆しているのだが、具体性に欠けるので「ふーん」で終わってしまう人が多いように思える。ナッジのためには、近くの小児科医、最寄りの保健所に問い合わせを勧めるところまで書いて欲しい*1。
日本史で「白川の清きに魚のすみかねてもとの濁りの田沼こひしき」と言う狂歌を習うせいか、経済が活性化のためには賄賂ぐらい許容した方が良いと思っている人は少なくないのだが、真面目に調べてみたらやはり無いほうがよかったと言う研究が紹介されていた。腐敗を撲滅すると特に中小企業が仕事をしやすくなるそうだ*1。
フランスの経済学者で政治コメンテーターのガーブ氏が「欧州のイスラム教徒、40年以内に多数派に」と言い出したのが話題になっていたが、フランスのŒil sur le frontで反論記事が出ていた。
外国語で話すと母国語で話すよりも冷静になり合理的思考を行なうので、よりウソをつきやすくなると言う研究が紹介されていた*1。母国語の方は、より感情に結びついているので正直になるそうだ。日本人以外も建前は嘘と感じるのが興味深い。
『インフル大流行は「風邪でも絶対に休まないおじさん」のせい?』と言うエッセイで、明治時代の近代化による影響で、日本に病欠を嫌う皆勤賞カルチャーが定着し、インフルエンザが広がりやすくなったと主張している。特に管理職にこの傾向が強く、「上へならえ」社会なので一般従業員にも無理を強いているそうだ。確かに、こういう傾向はあるであろう。しかし、これは日本社会に限らない。米国でもインフルエンザに感染した従業員は休ませろという話がされている。
設備投資が大きなインフラ産業は寡占化しやすく、公営もしくは規制産業になりがちだ。電力もその一つであり、発送電分離を分離しても送電部門は寡占産業となる。米国でも規制産業であるのだが、過少投資が誘発されやすく効率的な規制は難しい。米国は他の先進国と比較して、停電が多い方になっている。もうちょっと上手くやる方法を模索している研究がMicroeconomic Insightsで紹介されていた*1。